2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J01988
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡邊 康紀 北海道大学, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | オートファジー / 構造生物学 / 出芽酵母 / 液胞酵素 / 結晶構造解析 / 選択的オートファジー / Atg19 |
Research Abstract |
出芽酵母において液胞酵素であるApe1及びAms1はオートファジーを介して選択的に液胞へ輸送されることが知られている.両者の選択的な液胞への輸送にはレセプタータンパク質であるAtg19が重要な役割を担っている.本研究ではApe1-Atg19-Ams1三者複合体の立体構造を明らかにし,選択的オートファジーの積荷認識機構を明らかにすることを目的としている.H22年度は以前に決定したAtg19及びそのパラログAtg34のAms1結合ドメイン(ABD)の立体構造及び酵母細胞を用いた変異体解析からAtg19, Atg34のAms1認識には両者の保存されたループ領域が関与していることを明らかにした.ABDと類似した構造であるラクダの抗体等も、同様のループ領域を介してターゲットを認識することから、オートファジーにおいてもABDのような立体構造を持つレセプターが他にも存在し、多様な積荷を認識している可能性が考えられる. Ape1は自身のN末端プロペプチドを介して自己会合する特徴があるため,Ape1をGST融合タンパク質として発現させ,プロテアーゼによりGSTを切除すると直ちに凝集してしまい,その後の結晶化に用いることはできなかった.この凝集を抑える様々な検討を行ったところ,GST-Ape1のGSTを切除する前にAtg19のApe1結合領域であるCoiled-coilドメイン(CCD)を添加し,Ape1-Atg19CCD複合体を形成させた後にGSTを切除することで,Ape1の自己会合能による凝集を抑えることに成功した.得られたApe1-Atg19CCD複合体を精製し,結晶化スクリーニングに供したところ,いくつかの条件で微結晶を得ることに成功した.次年度は結晶化条件を最適化し,Ape1-Atg19 CCD複合体の立体構造決定を目指す.
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