2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規RNA結合タンパク質PPRによるイネミトコンドリア遺伝子発現制御機構の解明
Project/Area Number |
10J02016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
戸田 拓士 東北大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ミトコンドリア / イネ / PPRタンパク質 |
Research Abstract |
イネには477個のPPR遺伝子があることが報告されている(O'Toole et al 2008)。それらPPRタンパク質のうち、170個がミトコンドリアに移行して機能している可能性があると考えられる。これらのPPRタンパク質は特定のミトコンドリアRNAに結合して、プロセッシング、エディティングや翻訳制御などのミトコンドリア遺伝子の発現制御を行うと考えられている。本研究では、170個のPPRタンパク質の中で、植物の葉、あるいは花粉で特異的に発現するミトコンドリア局在PPRタンパク質について解析を行っている。これら170個のPPRについてPOSTECHのT-DNAタグラインが存在するものを探索し、PCRによりT-DNAの挿入の有無を確認した。結果、これらに170個の中の10遺伝子についてT-DNA挿入系統が確認できた。今後表現型を観察し機能解析を行っていく。また、OsPPR_07g36390についてTos17挿入系統がpale greenの葉を示すことを明らかにした。このTos17ホモの遺伝子型の個体についてノーザンブロットを用いて葉緑体の遺伝子の発現解析を行ったが、まだ影響が見られる葉緑体遺伝子を特定できていない。引き続き解析を行う予定である。さらに昨年度までに解析を行ってきた葉で特異的な発現を示すミトコンドリア局在PPRタンパク質をコードする遺伝子MPR25の機能解析を引き続き行った。結果、MPR25のシロイヌナズナでのホモログであるAt3g22150について、Salk lineの系統を用いてイネMPR25との比較解析を行った。現在At3g22150へのPCRによる遺伝子型決定により、T-DNAの挿入を確認できている。今後表現型の観察とnad5のエディティングについて解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MPR25の研究については投稿論文を作成していて多少時間がかかっているが、その分期待以上の結果が得られると考えている。また、他の遺伝子については変異体系統の選抜や特徴付けをしてさらに選抜したものを材料としたので、順調に遂行していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
解析対象としていた遺伝子をさらに絞り込んで解析を行うことを計画しており、これにより時間を短縮して当初の計画を遂行できると考える。また、MPR25については予想以上に興味深い結果が得られることが期待されるので、この研究において特に力を入れて、解析を行う予定である。
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Research Products
(3 results)