2010 Fiscal Year Annual Research Report
真空パッケージによる低電圧高速レーザディスプレー用マイクロミラーの研究
Project/Area Number |
10J02134
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
チュマン ホアン 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Micro-mirror / Laser scanning display / Air damping / Vacuum package / Metal can / Anodic bonding |
Research Abstract |
本研究は、真空パッケージによる低電圧駆動及び高速スキャンレーザーディスプレー用マイクロミラーの開発である。様々な研究機関にて開発が行われているにもかかわらず、静電的に駆動するマイクロミラーの問題点として、高いスキャン周波数(15kHz)で高回転角を得るためには高い駆動電圧(100V)が必要となることである。そこで、この問題点を解決するためにマイクロミラーを真空中に駆動することによって低駆動電圧で高回転角が得られることが期待される。従って、真空中で1次元と2次元櫛歯電極型マイクロミラーの駆動特性の検討を行った。低及び高真空中でそれぞれの理論的なQ値を求めるためのモデルを構築し、実験的に得られた値と比較した。Q値とは、マイクロミラーの回転角の増幅率を表すものである。 上記の結果に基づき、1次元マイクロミラーの設計及び製作を行い、高真空用金属缶を用いてマイクロミラーをパッケージした。低駆動電圧(5V)及び高共振周波数(25kHz)で大きい光学的回転角(10°)に達成した。真空中では空気の摩擦損失の低減のため、大気中で駆動される電圧と比べて、32倍も駆動電圧が減少された。提案した真空実装技術により、例えば携帯用単一MEMSスキャナーを製造することができる。 シリコン・ガラスの陽極接合や低融点金属リフロー等を使用した真空中における2次元マイクロミラーの設計、製作及びパッケージ技術を導入した。また、パッケージの内壁や底面やリッドガラス等とマイクロミラーとのスクイーズ空気膜による減衰特性も調べた。 要約すると、昨年度の研究では、スキャンレーザーディスプレーのために、高速スキャン、高回転角及び低駆動電圧を同時に満たす条件のマイクロミラーを実現した。これらの研究成果は、国内学会(2件)及び国際学会(2件)で発表し、査読付論文(2件)がジャーナルに掲載された。
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