2010 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-βシグナル伝達を阻害する新規異常トリプトファン含有天然物の作用機序解明
Project/Area Number |
10J02153
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
恒松 雄太 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 天然物化学 / 有機合成 / ケミカルバイオロジー |
Research Abstract |
これまでの研究では、既存の作用機序とは異なるTGF-βシグナル伝達経路阻害化合物を取得することを目的に、異常修飾トリプトファンを含有する新規天然有機化合物tryptopeptin A (1)と他二種類の類縁新規化合物を発見し、その平面構造を決定した。本年度は、以下の2点の研究について順次展開した。 1.tryptopeptin Aの量的供給を目指したStreptomyces属放線菌代謝産物の解析 最も切れ味鋭い生物活性を示した1は放線菌抽出物に0.0003%ほど含まれる超微量成分であった。その完全な化学構造決定には、適切な誘導体化が必要であり、そのためには多くの化合物量が必要であると考えた。そこで、本放線菌の大量培養および培養条件の検討を行った。ところが種々検討を施しても、以前の方法より収率向上させることは困難であり、未だ1を多量取得することには成功していない。一方、本過程においてtryptopeptin類の新規類縁化合物を新たに2つ単離することに成功した。各種機器分析による解析にてその平面構造を決定した。 2.全合成によるtryptopeptin Aの構造決定 放線菌抽出物からの1の量的供給が困難であると判断し、全合成することを計画した。1の全合成が達成できれば、その完全な化学構造を決定できるだけでなく、全合成における知見はtryptopeptin類合成誘導体による構造活性相関研究とその後の標的分子同定、作用機序の解明に役立つ各種ケミカルプローブの合成にも役立つことが期待された。各種検討の結果、1と同一の平面構造をもつ化合物1aを合成することに成功した。天然物、合成物の物理化学的性質の比較を行ったところ、合成した1aは天然物1と完全に一致することが明らかとなり、これらが全く同一の分子であると結論付け、1の化学構造を完全に決定することに成功した。以上の成果から、tryptopeptin Aが合成により供給可能となり、その作用機序の解明を目指した研究へと展開する道が開拓された。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Tryptopeptin A, a novel TGF-β signaling inhibitor from Streptomy ces sp.2010
Author(s)
Tsunematsu, Y., Oishi, S., Fujii, N., Nishimura, S., Hattori, A., Kakeya, H.
Organizer
PACIFICHEM 2010
Place of Presentation
Hawaii Convention Center, Hawaii, USA
Year and Date
2010-12-19
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