2010 Fiscal Year Annual Research Report
磁気プラズマセイルの推力特性及び非定常現象に関する研究
Project/Area Number |
10J02178
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
大塩 裕哉 総合研究大学院大学, 物理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 磁気プラズマセイル / 推力計測 / MPDアークジェット |
Research Abstract |
磁気プラズマセイル(MPS)は、太陽から流れてくるプラズマ流である太陽風を人工の磁気圏により受け止め推力へと変換する。しかし、十分な推力を得るためには、数十kmという大きな磁気圏が必要である。そこで、プラズマの注入により磁気圏の拡大を行い小さな宇宙機で大きな磁気圏を形成する。 今年度は、特別研究員奨励費により新型のプラズマ源の開発を行った。新型プラズマ源を用いた磁気圏拡大試験を行った結果、昨年度の7%の磁気圏拡大に対し、今年度は23%の磁気圏拡大を達成した。これは1.5倍の推力増加に対応する(32nd International Electric Propulsion Conferenceにて発表予定)。また、新しく製作した電流プローブにより、人工磁気圏の3次元的な電流分布が実験室で初めて得られた。この磁気圏の電流との相互作用によりMPSの推力が発生することから、磁気プラズマセイルの推力ならびにトルクの発生を初めて実験的に評価した。(平成22年度宇宙輸送シンポジウムにて発表) 非定常特性についてはφ1mのソレノイドコイルを用いた太陽風プラズマと共に流れてくる惑星間磁場の模擬装置を製作し、惑星間磁場が存在する場合の磁気圏の変動特性を明らかにした。(第42回流体力学講演会にて発表)また、太陽風模擬プラズマ流の変動特性の評価として、MPDアークジェットのプラズマ流の変動特性を明らかにし、その下流域(放電室か電室から150-1250mm)プルーム構造を初めて明らかにした。(日本航空宇宙学会論文集へ投稿)これらの変動によって想定される推力変動の直接計測を行うため、特別研究員奨励費により動的荷重測定用ロードセルを購入した。購入したロードセルを用いて、1Nクラス・ミリ秒オーダーの高速推力計測システムの開発を行った。
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