2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J02195
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堤 康史郎 九州大学, 大学院・歯学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 骨代謝 / シグナル伝達 / BMP / リン酸化 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 共存培養 |
Research Abstract |
骨代謝における新規分子PIRP, phospholipase C-related but catalytically inactive proteinの機能を解明することを目的として本研究を行った。 これまで、PRIP-遺伝子欠損(KO)マウスでは野生型に比べ、骨形成パラメーターの亢進、骨密度や海綿骨の骨量の増加から、骨形成が促進しており、この現象はホルモンの直接的な影響を受けていないことが示唆された。また、骨芽細胞の初代培養を用いた解析にて、PRIP-KOマウスでは骨芽細胞への分化能が高く、骨形成に関与する転写因子Smad1/5/8のリン酸化レベルの延長が認められた。更に、破骨細胞の初代培養を用いた解析にて、PRIP-KOマウスでは破骨細胞の分化能は差が見られなかったが、骨芽細胞の初代培養との共存培養において、骨吸収能の低下が認められた。そこで、骨芽細胞の初代培養を用いて破骨細胞の分化に関与するRANKLやOPGの遺伝子発現を比較したところ、PRIP-KOマウスでは野生型に比べRANKLの発現は高く、OPGの発現は低かった。また、破骨細胞の初代培養を用いて破骨細胞の分化に関与する因子の発現を比較したところ、差は認められなかった。更に、骨芽細胞と破骨細胞との共存培養において、分化した破骨細胞を詳細に解析したところ、PRIP-KOマウスの破骨細胞は野生型に比べ細胞のサイズが小さく、またアクチンリングを持つ破骨細胞数の減少が認められた。 これらの結果から、PRIP-KOマウスは野生型に比べ、骨芽細胞は破骨細胞の分化を促進させ、破骨細胞ではアクチンリングの形成能が低いことが示唆された。
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Research Products
(4 results)