2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J02255
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
名古屋 創 神戸大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 量子パンルヴェ方程式 / 超幾何関数の積分表示 / 共形場理論 / KZ方程式 |
Research Abstract |
1 本年度前までに、神保、孫とともにLie 環 sl2に対して合流型KZ方程式を定義し、解として合流型超幾何関数の積分表示解を与えていた。孫との共同研究で、Lie 環 slnに対して無限遠点でPoincareランクが2である合流型KZ方程式を構成し,合流型超幾何函数の積分表示を用いて、解を与えた。この結果を論文にまとめ投稿し何度かの修正のもとJurnal of Physics Aに受理された。 2 あるパラメータを非負整数とした量子Painleve方程式の特殊解として,超幾何型積分表示解を与えた.これらは順に,Gauss, Kummer,Hermite-Weber,Bessel,Airyの超幾何函数の積分表示の一般化とみなせる.また,合流型KZ方程式のハミルトニアンの作用とあるパラメータを非負整数とした量子第6 Painleve方程式から量子第2 Painleve方程式のハミルトニアンの作用が等しいことを示した. 3 量子Painleve方程式のアフィンWeyl群対称性を,そのSchrodinger方程式のBacklund変換として実現した.この実現を用いて,無限個の積分表示解を与えた.量子Painleve方程式は2次元共形場理論における合流型も含むKZ方程式と同値なので,合流型も含むKZ方程式の積分表示解を与えたことにもなる.この積分表示解は共形場理論の文脈では知られていなかったものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初予定した通りに、問題を解決しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまで、順調に当初予定した通りに研究計画を進めている。今後は現在までに得られた結果を土台にして、着実に研究を進めていく。不確定特異点も含む共形場理論における超幾何関数の積分表示解について、今年度に新たな知見を得たので、これを踏まえて不確定特異点型共形場理論における超幾何関数の積分表示解の構成を行う。
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