2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J02260
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
網田 英敏 北海道大学, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 採餌行動 / 社会性 / 単一神経活動記録 / 報酬 / ニワトリ雛 / 大脳基底核 |
Research Abstract |
これまでの研究から、3日間の競争採餌の経験によってヒヨコの衝動的選択が亢進することがわかった。これは競争採餌の長期的な影響を示すものである。しかし、競争採餌によって衝動的選択が亢進する神経メカニズムはまだわかっていない。また、自由行動下の動物において、脳における長期的な変化を調べることは難しい。 そこで、神経メカニズムの解明のために、競争採餌の即時的な影響を検証する必要があった。本年度はこの競争採餌の即時的な影響について調べた。すなわち、その場に競争他個体がいるかどうかによって、ヒヨコが速やかに選択を変えるか調べた。ヒヨコに対して競争採餌と単独採餌の両方を経験させた。その後、競争採餌と単独採餌において異時点間選択に違いがあるかをテストした。その結果、ヒヨコは両条件で同程度の衝動的選択を示した。このことから、競争採餌が選択に及ぼす即時的な影響について検出することは難しいことがわかった。しかし、選択をするまでの潜時について着目したところ、競争採餌において明確な短縮が見られた。 先行研究において、動物の餌に対するモチベーションが高いとき、潜時の短縮が起こることがわかっている。したがって、競争採餌によって、即時的にヒヨコの餌に対するモチベーションが高まっている可能性がある。このことは、競争採餌が即時的に神経活動の変化を引き起こしていることを示唆している。今後、電気生理実験を行い、競争採餌によって脳においてどのような変化が起こるのかを調べる。
|
Research Products
(4 results)