2011 Fiscal Year Annual Research Report
サルエイズモデルにおける長期SIV複製制御機序の解析
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10J02353
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩本 南 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | サルエイズモデル / SIV / CTL / ワクチン / Gag / Vif / Nef / MHCクラスI |
Research Abstract |
昨年度は、MHC-Iハブロタイブ90-120-Ia共有アカゲザル群におけるSIV感染慢性期のSIV複製制御機序の解析を行い、SIV感染慢性期にGagワクチン接種後では複製制御できないGag特異的CTLからのエスケープ変異を有する変異体SIVを複製抑制可能な免疫応答が誘導されていることを報告した。また、この群のCD8陽性細胞のSIV複製抑制能の解析を行ったところ、野生型SIV複製抑制能はGagエピトープ、VifおよびNef特異的CTLレベルと相関が認められ、変異体SIV複製抑制能とVif特異的CTLレベルに相関が認められた(AIDS. 2010 Nov 27;24(18))。CTL誘導型予防エイズワクチン開発においてワクチン抗原の選択は非常に重要な問題である。Gag特異的CTL誘導がHIV/SIV複製抑制と相関していることはよく知られているが、Vif特異的CTL応答のSIV複製抑制に対する有効性は明らかとなっていない。そのため、in vitroにおいてSIV複製抑制能と相関が認められたVifおよびNefのワクチン抗原としての有効性を検証することは、今後の予防エイズワクチン開発において重要な情報となることが期待される。そこで、この結果を踏まえ、本年度はVifとNefのワクチン抗原としての有効性を検討する実験を開始した。DNAプライム/センダイウイルスベクターブースト法によって、MHC-Iハプロタイプ90-010-Ie共有アカゲザル群11頭に対してワクチン接種を行った。既にSIV複製制御に有効であることが知られているGagと比較することによってVif及びNefのワクチン抗原としての有効性を検討するため、5頭はGagを抗原としたワクチン接種を行い、6頭はVif及びNef発現ワクチンの同時接種を行った。センダイウイルスベクターブースト後、IFN-γ産生による抗原特異的T細胞応答の解析を行ったところ、ワクチン抗原特異的T細胞応答が高い頻度で誘導された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ワクチン作製からアカゲザルへのワクチン接種を行い、抗原特異的T細胞応答の誘導が認められた。ワクチン効果が認められたため、来年度はこれらの個体に対してSIVチャレンジを行い、VifおよびNefのワクチン抗原としての有効性の評価結果を報告できるまで進展することが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、GagまたはVif/Nefワクチン接種群に対してSIVmac239チャレンジを行い、ワクチンの有効性の評価を行う。また、SIV特異的免疫応答を解析することにより、ウイルス複製に与える影響を観察する。
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[Journal Article] Association of major histocompatibility complex class I haplotypes with disease progression after simian immunodeficiency virus challenge in Burmese rhesus macaques2012
Author(s)
Nomura, T., Yamamoto, H., Shiino, T., Takahashi, N., Nakane, T., Iwamoto, N., Ishii, H., Tsukamoto, T., Kawada, M., Matsuoka, S., Takeda, A., Terahara, K., Tsunetsugu-Yokota, Y., Iwata-Yoshikawa, N., Hasegawa, H., Sata, T., Naruse T.K., Kimura, A., Matano, T.
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Journal Title
Journal of Virology
Volume: (in press)
DOI
Peer Reviewed