2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J02637
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
小林 恵 中央大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 近赤外線分光法 / 乳児 / 顔認知 |
Research Abstract |
本研究の目的は,近赤外線分光法装置によって,生後1年に満たない乳児の顔処理発達の神経基盤を検討することである。乳児の顔処理能力の発達は主に乳児の注視行動を指標として検討されてきており,脳機能の発達との関連を示す知見は数少ない。顔観察時に生起する乳児の脳血流反応を計測することによって,顔処理能力の発達と脳機能の発達との関連を明らかにすることにつながる。 まず平成23年度に実施していた,神経順応パラダイムを近赤外線分光法計測に適用することによって生後5・8ヶ月児が顔のサイズの変化に関わらず同一人物の顔を認識しているか検討する研究の成果について,Neuro Report誌に発表した。また平成22年度から実施している神経順応パラダイムによる近赤外線分光法計測で明らかにしてきた乳児の脳の側頭領域における顔処理特性について,2012年6月にInternational Conference of Infant Studiesおよび11月の43rd NIPS International Symposium "Face Perception and Recognition"においてポスター発表を行った。 平成24年度は,生後5・8ヶ月の乳児が顔の内部特徴(目や口)の変化に関わらず,同一人物の顔として処理できるかの検討を開始した。現在もデータ取得中であるが,顔の内部特徴の変化に関わらず顔を処理する能力は生後7ヶ月頃に発達することを示唆するデータが得られている。また2013年3月にUniversity of Milano-BicoccaのViol aMacchi Cassia教授の研究室に1週間滞在し,研究室見学および共同研究の打ち合わせを行い,乳児の顔処理能力の発達に対する顔を見る経験の影響を解明する行動実験・脳活動計測実験を開始した。 その他,2012年11月にThe University of Western AustraliaのGillian Rhodes教授およびLindaJeffery研究員と共同研究の打ち合わせを行い,その準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画より早く,研究成果を査読付き英文学術誌に掲載することができた。また,次年度につながる海外の研究室との共同研究を2つ開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は本年度で終了であるが,本研究課題遂行によって最先端の顔研究を発表し続ける海外の研究室との共同研究を開始することができた。次年度以降は,この共同研究を中心に研究を進めていく。
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[Journal Article] Eye contrast polarity is critical for face recognition by infants2013
Author(s)
Otsuka, Y., Motoyoshi, I., Hill, H., Kobayashi, M., Kanazawa, S., & Yamaguchi M.K
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Journal Title
Journal of Experimental Child Psychology
Volume: (印刷中)
DOI
Peer Reviewed
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