2010 Fiscal Year Annual Research Report
相同組換え修復におけるRAD52反応中間体の構造生物学的研究
Project/Area Number |
10J02699
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
齋藤 健吾 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | DNA修復 / 相同組換え / X線結晶構造 / DNA結合タンパク質 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
研究目的:相同組換え修復の分子機構を、中心的な役割を果たすRAD52タンパク質の立体構造・機能解析を通して明らかにすることを目的とする。 研究方法:RAD52の機能を(1)RAD52の翻訳後修飾、(2)RAD52とDNAとの複合体の結晶構造解析及び(3)酵母Rad52の生化学的解析という3つの側面から解析した。 (1)RAD52のSUMO化修飾に着目した。前年度は、大腸菌内においてSUMO化したRAD52を大量調製し、様々な生化学的解析を行ってきた。本年度は、これらの解析結果を踏まえ、細胞生物学的解析を行い、細胞レベルでのSUMO化によるRAD52の機能への影響を解析した。 (2)々な配列と長さのDNAとRAD52との複合体を調製し、結晶化を行った。得られた結晶を用い、SPring-8およびPhoton Factory放射光施設にてX線回折実験を行った。 (3)酵母Rad52がRad51の機能調節をどのような分子機構で行うのかを調べるために、Rad52およびRad51をリコンビナントタンパク質として精製し、生化学的解析を行った。 研究成果 (1)細胞生物学的解析によりSUMO化がRAD52の核局在に影響を与える可能性が示唆された。この結果と、前年度までの生化学的解析結果を合わせ、論文を発表するに至った。(2)RAD52に安定に結合するDNA配列を見いだした。そして、この配列をもつssDNAとRAD52の複合体の立体構造を高分解能で決定することに成功した。この立体構造は世界で初となるヒトの相同組換え修復タンパク質を含んだ反応中間体構造であり、真核生物の相同組換え反応の分子機構を明らかにする上で重要な知見となると考えられる。この成果は、学会で発表するに至った。(3)生化学的解析により、Rad52のC末端側がRad51の構造および機能の調節に大きく影響を与えることを明らかにした。本研究成果は、学会で発表するに至った。
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