2010 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療計画データベースに基づく高精度治療計画支援システムの開発
Project/Area Number |
10J02858
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
馬込 大貴 九州大学, 医学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 放射線治療 / 体幹部定位放射線治療 / 放射線治療計画 / 類似症例 / ビームアングル / コンピュータ支援 |
Research Abstract |
今年度は、放射線治療計画データベースの構築を行い、データベースから類似症例を検索し、検索対象症例のビーム配置を自動的に決定する放射線治療計画支援システムを開発した。 本研究では、肺定位放射線治療を行った81症例の放射線治療計画データを用いた。第一に、画像特徴量に基づき、検索対象症例と類似した症例を検索した。画像特徴量には、腫瘍の重心位置、実効直径、球形度を用いた。第二に、検索された類似症例の中から、線量評価指標を用いて、有効であると定義された治療計画を選択した。線量評価指標には、放射線治療領域で一般的に用いられている、Dose-volume-histogramに基づく特徴量と生物学的モデルであるTumor control probability (TCP)、Normal tissue complication probability (NTCP)を用いた。最後に、選択された類似かつ有効であるとされた症例のビーム配置を、対象症例に合わせてレジストレーションを行うことで変形させ、対象症例のビーム配置を自動的に決定した。 放射線腫瘍医が手動で作成したビーム配置と、提案システムに基づき自動的に作成されたビーム配置を用いて作成された線量分布を比較した結果、両者に有意な差はみられなかった。 肺定位放射線治療におけるビーム配置の手動決定は、放射線腫瘍医にとって時間のかかる作業であり、経験の浅い計画者には、適切なビーム配置を決定することが困難である。さらに、治療計画者間でビーム配置の決定にばらつきが生じる可能性があり、提案システムを用いて自動的にビーム配置を決定することは臨床上、役に立つと思われる。また、放射線治療計画の時間短縮による、生産性の向上と治療の質の均霑化が期待される。 本研究結果は、英語論文として現在執筆中である。さらに、特許出願を予定している。
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