2011 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療計画データベースに基づく高精度放射線治療計画支援システムの開発
Project/Area Number |
10J02858
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
馬込 大貴 九州大学, 医学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 放射線治療 / 体幹部定位放射線治療 / 放射線治療計画 / 類似症例 / ビームアングル / コンピュータ支援 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度開発した、過去に計画された類似症例に基づき、ビーム方向を自動的に決定する治療計画支援システムを、放射線腫瘍医とのディスカッションに基づき、臨床現場で役に立つシステムにするため改良を行った。 類似症例は81症例の肺定位放射線治療計画データベースの中から自動的に検索された。初めに、PTV (planning target volume)、肺、脊髄の位置、大きさ、形状に関する幾何学的特徴量を算出し、対象症例と類似した5症例を検索した。次に、肺領域を介した線形レジストレーション法に基づき、類似症例のビーム方向を変換することで、対象症例のビーム方向を決定した。自動的に決定された5つのビーム方向を用いて治療計画システム上で5つのプランを作成し、Conformity index、肺の平均線量や、脊髄の最大線量等の8種類の線量評価指標を用いて、最も有用と考えられるプランを自動的に選択した。提案手法を評価するために、10名のテスト症例に本手法を適応した。 提案手法に基づくプランと放射線腫瘍医がマニュアルで作成したプランの線量評価指標を比較した結果、8種類の線量評価指標において有意な差は無く、同程度のプランを自動作成できる可能性を示した(P>0.05)。 肺定位放射線治療では、5~10門のノンコプラナー方向を含んだビームを用いる場合が多く、治療計画に多くの時間を要する。さらに、経験の浅い治療計画者の場合、適切なビーム方向の決定が困難である。経験豊富な治療計画者のデータベースに基づいた提案手法を用いることで、経験の浅い治療計画者の教育用ツールとして使用することができ、肺定位放射線治療の一般化、質の均霑化が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
画像情報を用いて、類似症例を検索するだけでなく、過去の類似症例の治療計画情報を積極的に利用して、新たな症例の治療計画に応用する、独創的な放射線治療計画支援システムを開発した。開発した手法は国内外の関係学会において高く評価され、SPIE Medical Imaging 2012 (2012年2月,アメリカ,サンディエゴ)にてConference Finalist of the Best Student Paper Award, 11th Asia-Oceania Congress of Medical Physics (2011年10月,福岡)にてSecond Place in Young investigator Symposiumを受賞した。
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Strategy for Future Research Activity |
提案システムの更なる機能向上のため、システムの改良を行う。具体的には、類似症例に基づくビーム方向の最適化を行うアルゴリズムを開発する。 既存の放射線治療計画装置に提案システムを組み込み、臨床の現場で、開発したシステムの評価を行う。出力結果を放射線腫瘍医に提示し、治療計画にかかる時間的コストがどれだけ削減できるか観察者実験を行う。 得られた成果は、特許、英語論文にまとめ、臨床実用化を目指す。
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