2011 Fiscal Year Annual Research Report
シジミチョウ-アリ共生系における相利共生維持機構の解明
Project/Area Number |
10J03146
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
北條 賢 琉球大学, 農学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 相利共生 / 社会性昆虫 / コミュニケーション / 行動 / 学習 / 生体アミン |
Research Abstract |
本研究は、シジミチョウとアリの相利共生が維持されるプロセスとその生理学的メカニズムの解明を目的としている。異なる生物同士がお互いに協力し合う「相利共生」は、自身は何も与えずに利益を得る「裏切り者」の出現により崩壊する。 そのため、相利共生の維持には協力的なパートナーを正確に認識する機構が必要である。 アミメアリは共生型シジミチョウであるムラサキシジミ幼虫から蜜を受け取る経験を通して、シジミチョウ幼虫の体表成分を学習・認識する。本年度は学習した情報がコロニー内でどのように利用されているのかを調べた。その結果シジミチョウ幼虫に対するアリの随伴行動は経験後7日後でも高く維持されること、個体が学習したシジミチョウ幼虫の情報は巣仲間とのコミュニケーションを介して社会内に伝搬されることを明らかにした。 また、経験したアリの行動変化を詳細に調べた結果、ムラサキシジミ幼虫の蜜を摂食することで、アミメアリの攻撃性、歩行活動性も可塑的に変化することがわかった。アミメアリの脳内アミン量を経験前後で比較すると,経験に伴いアリ脳内のドーパミン量は減少し、チラミン量は増加することがわかった。アリの脳内アミン量の変化は共生相手であるシジミチョウに対する協力行動を制御する重要な因子であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的として掲げた3つの課題のうち、2つの課題については予定していた実験計画を完了することができた。3つ目の課題に関しても計画通り遂行しており、来年度の初めには計画を完了できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画は概ね順調に進展しており、今後はより論文執筆に重点を置き研究を進めていく予定である。年度の後半は種間共生研究の第一線で活躍する海外の研究者を訪問し、本研究課題で得られた研究成果をもとに共同研究をおこなう予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Chemical identification and ethological function of soldier-specific secretion in Japanese subterranean termite Reticulitermes speratus (Rhinotermitidae)2011
Author(s)
Nguyen, T.T, Kanaori, K., Hojo, M.K., Kawada, T., Yamaoka, R., Akino, T.
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Journal Title
Bioscience, Biotechnology and Biochemistry
Volume: 75
Pages: 1818-1822
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Individual and social learning in ants mediates a mutualistic association with lycaenid butterflies2012
Author(s)
Hojo, M.K., Dobata, S., Yamamoto, A., Akino, T., Yamaoka, R., Tsuji, K.
Organizer
第59回日本生態学会大会
Place of Presentation
龍谷大学滋賀県大津市
Year and Date
20120317-20120321
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