2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J03208
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三代 憲司 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 水素結合 / キラリティー / 不斉反応 / 分子スイッチ / 有機触媒 / 構造有機 / アシル化 / アミド |
Research Abstract |
申請者は糖類の位置選択的官能基化のための新規基質認識型触媒開発を目指して触媒構造の検討を行う中で、ピロリジン環の2,5位に4つの同一なアミド基を持つ化合物が環状の分子内水素結合ネットワークを形成し、ネットワークの形成方向に依存したキラリティーを持つことを見出した。このようなキラリティーを持つ分子はこれまでに認知されてはいるものの、一般にそのラセミ化障壁は低く、これまでにこのような水素結合の形成方向に依存したキラリティーを持つ分子を安定に単離した例は皆無である。この特徴的なキラリティーを持つ構造の新規触媒設計等への応用可能性を探るべく、構造研究及び応用研究に取り組んだ。アミドの置換基とラセミ化障壁の相関について検討を行った結果、溶液中のラセミ化半減期が最高一週間以上、固体状態では全くラセミ化しない程安定な分子の開発に成功した。この特徴的なキラリティーを持つ触媒分子を用いてラセミ体の第二級アルコールの速度論的光学分割を行い、本構造の持つ不斉環境が不斉反応に適用可能であることを示した。また、中心不斉を持つアミンを4つ導入した分子が、水素結合の形成方向に依存して置換基の向きが一様に揃う特徴的な構造を持っており、外部刺激により水素結合の形成方向及び置換基の向きを制御できることが分かった。このような構造的特徴から本構造はホスト分子や分子マシン等への応用が期待でき、新規基質認識型触媒の基本骨格としても有用だと考えられる。
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Research Products
(6 results)