2010 Fiscal Year Annual Research Report
標的タンパク質の立体特異的リガンド認識を利用したマメ科植物就眠運動の分子機構解明
Project/Area Number |
10J03237
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
猪俣 翔 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 就眠運動 / 標的タンパク質 / 分子プローブ法 / CuAAC |
Research Abstract |
申請者は,就眠運動の詳細な分子機構解明を目指し,分子プローブ法によるアメリカネムノキの就眠物質標的タンパク質の同定を検討した. まず申請者は,植物体内に極微量に含まれる標的タンパク質を,効率的に標識化・精製可能な高性能分子プローブの創製に着手した.プローブ-タンパク質間に共有結合を形成する架橋性宮能基,および検出や精製に関わる分子タグの組み合わせを最適化することで,高性能分子プローブの創出が可能であると考えた.このようなスクリーニングを行うために,申請者は一価の銅触媒によるアジドとアルキンのHuisgen[3+2]環化付加反応(以下,CuAAC反応)を利用した分子プローブの簡便な合成法を開発した.すなわち,グリコンの2'位に架橋性官能基を,6'位にアジドを導入したファーマコフォアと,分子タグを導入した4-エチニル桂皮酸アミドをそれぞれ合成し,CuAAC反応により各ユニットを連結することで,ビアリール構造を有する分子プローブを簡便に合成した.合成したビアリール連結型プローブ(以下,BArLプローブ)は,これまで用いてきたトリグリシン連結型プローブに比べて,標的タンパク質に対し約70倍もの標識化効率を示した.剛直なビアリールリンカーが良いスペーサーとして機能することで,嵩高い分子タグをファーマコフォアから空間的に遠ざけることで,プローブの生理活性が向上したことが原因と推測された. 現在,合成したBArLプローブを用い,アメリカネムノキ運動細胞プロトプラスト細胞膜画分に局在する標的タンパク質の標識化・精製を検討している.
|