2010 Fiscal Year Annual Research Report
MAPKとMediator Complexによる協調的ストレス応答制御機構
Project/Area Number |
10J03280
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
服部 鮎奈 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MAPK / 線虫JNK経路 / 重金属スレレス応答 / KGB-1 / FOS-1 / リン酸化 |
Research Abstract |
線虫C.elegansにおいてMLK-1(MAPKKK)、MEK-1(MAPKK)、KGB-1(MAPK)経路は重金属ストレス応答と幼虫発生に機能している。しかし、KGB-1の標的因子やその下流で機能する因子は明らかにされていない。これまでに申請者は、KGB-1と転写因子FOS-1が結合し、FOS-1がKGB-1経路下流で機能することを明らかにした。また、今回、KGB-1によるFOS-1のリン酸化部位を同定するため、FOS-1リン酸化候補部位に変異を導入し解析した。この結果、KGB-1はFOS-1 Thr-304のリン酸化することを明らかにした。さらに、線虫を用いた実験から、非リン酸化型FOS-1を過剰発現すると、kgb-1変異体と同様に重金属感受性を示すこと、また、KGB-1が異常活性化することで起きるvhp-1変異体の幼虫致死の変異表現型を抑圧するこがわかった。これに対して、擬リン酸化型FOS-1を過剰発現すると、vhp-1変異体と同様に幼虫致死を引き起こすことがわかった。これらの結果は、KGB-1がFOS-1 T304のリン酸化を介してFOS-1を負に制御することで、重金属ストレス応答と幼虫発生を制御していることを示している。今後は、KGB-1経路下流でFOS-1によって転写制御される遺伝子の同定を通じて、KGB-1経路による重金属ストレス応答経路の解明を試みる。
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