2010 Fiscal Year Annual Research Report
PPARγ転写調節におけるクロマチン構造、インスレーターの役割のゲノムワイド解析
Project/Area Number |
10J03451
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
四谷 理沙 (廣瀬 理沙) 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | PPARγ / ChIP-seq / FAIRE-seq |
Research Abstract |
平成22年度は申請書の年次計画に沿って研究を施行した。(1)ゲノムワイドChIP-seqにより同定したPPARγ結合領域とマイクロアレイによる遺伝子の転写レベルとの関連性の検討においては、PPARγとRXRαの結合領域について、FDR10^<-4>の基準で有意としたゲノム上の結合領域を再度決定した。更にPPARγ結合領域の遺伝子に対する位置関係をゲノムワイドに解析したところ、いわゆるプロモーター解析が行われる、近位プロモーター領域には高々11%しか存在せず、イントロン(29%)や遺伝子間(31%)などの幅広いゲノム領域に分布していた。次にPPARγの結合が遺伝子転写制御に与える機能的役割を検討するために、遺伝子転写開始点前後25kbに存在するPPARγの結合部位の数をカウントした上で、マイクロアレイで得られた脂肪細胞分化における遺伝子の変化との関連を解析した。その結果、脂肪細胞分化で制御される遺伝子の近傍にはPPARγの結合部位が濃縮していることが示された。一方PPARγが近傍に結合している遺伝子はGene Ontology解析で脂肪細胞分化や中性脂肪代謝作用、インスリン作用などの作用のアノテーションが有意に濃縮していた。(4)PPARγ/RXRαの結合部位におけるクロマチン構造のゲノムワイド解析に用いるFAIREについては、ポジティブコントロール領域を用いて実験系を確立することが出来、次世代シークエンサーでの実験(FAIRE-seq)を行うことができた。今後は、脂肪細胞特異的なFAIRE領域のゲノム上の分布や脂肪細胞分化で発現が制御される遺伝子、脂肪細胞特異的なFAIRE領域とPPARγ結合領域のゲノムワイド解析、脂肪細胞特異的なFAIRE領域のうちPPARγでは説明されないもののcharacterization(モチーフ解析を含む)を行う予定である。
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