2011 Fiscal Year Annual Research Report
PPARγ転写調節におけるクロマチン構造、インスレーターの役割のゲノムワイド解析
Project/Area Number |
10J03451
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
四谷 理沙 (廣瀬 理沙) 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 脂肪細胞分化 / エピゲノム / PPARγ / 次世代シークエンサー / オープンクロマチン領域 |
Research Abstract |
本年度は昨年確立したオープンクロマチン構造を検出するFormaldehyde-Assisted Isolahon of Regulatory Elements(FAIRE)法を用いて、脂肪細胞分化の制御因子としてPPARγがどの程度の重要性と寄与の程度を明らかにすること、PPARγ以外の重要な新しい転写因子の同定を目的として3T3-L1脂肪細胞、NIH-3T3マウス胎仔由来線維芽細胞における脂肪細胞に特異的なオープンクロマチン領域の解析を行った。FAIRE-seqの結果、脂肪細胞の分化で重要な役割を果たす遺伝子の周囲には多くのオープンクロマチン領域が存在し、脂肪細胞の分化前後で非プロモーター領域のFAIRE peakがダイナミックに変化することが示唆された。また、FAIRE peakの一部はPPARγの結合領域と重なることが観察された昨年の結果に加え、オープンクロマチン領域はクラスターを形成していることが示唆され、脂肪細胞特異的なFAIREピークの45.3%がPPARγと、11.7%がC/EBPαの結合領域とオーバーラップしていることが明らかとなった。続いて脂肪細胞特異的なFAIRE peakに対してモチーフ解析を行った結果、これまでに脂肪細胞の分化と関連が明らかでなかった転写因子がモチーフに結合する候補として挙がった。その候補のうち、われわれはNFI familyに着目し、NFIの脂肪細胞分化における役割を明らかにすることを試みた。まずChIP assayでNFIが脂肪細胞特異的なFAIRE peakを占有していることを確認し、NFI familyのうちNFIA、NFIBが脂肪細胞の分化を誘導することが明らかにした。また、3T3-L1脂肪細胞にNFIAを過剰発現させると、PPARγなどの脂肪細胞分化に特異的な遺伝子の発現が誘導され、脂肪滴が蓄積されることを明らかにした。更に、dominant-negative NFIA(NFIA-DN)やsiRNAによるNFIA、NFIBの抑制により、PPARγなどの脂肪細胞の分化に特異的な遺伝子の発現と脂肪滴の蓄積が抑制された。そして、最後に脂肪細胞の分化能を明らかにするため、3T3-L1脂肪細胞の分化前とNIH-3T3マウス胎仔由来線維芽細胞のFAIRE peakを比較し、3T3-L1と同様にモチーフ解析を行った。3T3-L1の分化前/NIH-3T3細胞のratioが高いものを候補とし、現在、実際に3T3-L1細胞(day0)とNIH-3T3細胞でmRNAの発現を比較し、NIH-3T3に対して3T3-L1(day0)の発現が有意に高いことを確認している。
|
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] Global mapping of cell type-specific open chromatin by FAIRE-seq reveals the regulatory role of the NFI family in adipocyte differentiation2011
Author(s)
Waki H, Nakamura M, Yamauchi T, Wakabayashi K, Yu J, Hirose-Yotsuya L, Take K, Sun W, Iwabu M, Okada-Iwabu M, Fujita T, Aoyama T, Tsutsumi S, Ueki K, Kodama T, Sakai J, Aburatani H, Kadowaki
-
Journal Title
PLos Genetics
Volume: 7
Pages: Special section 1-16
DOI
Peer Reviewed
-