2010 Fiscal Year Annual Research Report
根粒と他器官のかたちづくりを共に制御する新規因子の解析
Project/Area Number |
10J03459
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
矢野 幸司 基礎生物学研究所, 共生システム研究部門, 特別研究員(PD)
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Keywords | ミヤコグサ / 根粒 / 共生窒素固定 / 形態形成 / 変異体 |
Research Abstract |
本研究は、根粒器官のみならず葉・茎・根などの分化・発達にも異常を呈した、多面表現型を示す突然変異体を解析することで、根粒及び葉・茎・根の器官形成における、遺伝的メカニズムの共通性を明らかにすることを目的としている。これまでに、根粒と地上部の分化・発達に異常を呈した突然変異体を1系統(F101)、根粒と根の分化・発達に異常を呈した突然変異体を7系統(F83、268、01-1219、212-003、212-024、301-002、301-274)選抜した。これらはエチルメタンスルホン酸(EMS)やイオンビームで処理された突然変異体であったため、マップベースクローニング法を用いて原因遺伝子の同定を試みた。ラフマッピングによって、8系統の突然変異体の原因遺伝子はそれぞれ、連鎖地図上の異なる位置に座乗していることを明らかにした。F101、268、212-024の原因遺伝子は第一連鎖群に座乗していた。01-1219と301-274の原因遺伝子は第二連鎖群に座乗していた。F83と301-002の原因遺伝子は第四連鎖群に座乗していた。212-003の原因遺伝子は第六連鎖群に座乗していた。そこで、F2解析集団を増やして、各突然変異体のファインマッピングを行った。その結果、F101と268について、変異を持つ遺伝子を見いだした。現在、相補実験によってこれらの遺伝子が原因遺伝子かどうかの確認を進めている。他の突然変異体については、それぞれ染色体歩行を進めている。また、各突然変異体の戻し交配を行い、得られた種子を用いて表現型解析を行った。次年度は、さらなる原因遺伝子の同定を進めると共に、同定できた遺伝子の詳細な機能解析を行う予定である。
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