2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J03677
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
本間 良則 総合研究大学院大学, 高エネルギー加速器科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | M理論 / M5ブレーン / Lie3代数 |
Research Abstract |
本研究の目的は物質と時空を統一的に取り扱う超弦理論の非摂動的な理解を与えるM理論のダイナミクスについて調べることにある。平成22年度においては特にM理論におけるソリトン的な物体であるブレーンのふるまいについて注目し、超弦理論におけるブレーンと比較することでM理論の理解をさらに深めていくことを計画していた。M理論においては安定なブレーンとしてM2ブレーンとM5ブレーンがあることが知られており、特にM2ブレーンについては最近の発展により複数重なっている場合も含めてそのふるまいが解明されてきている。しかしM5ブレーンにおいては複数枚重なっている場合にどのように記述できるかということは全くわかっていなかった。だが最近、M2ブレーンの記述に役立っていたLie3代数が複数枚のM5ブレーンの記述にもうまく適用できうることが示唆され、実際に超弦理論における特定のブレーンを導出でき、超弦理論の非摂動的側面をとらえていることが示された。そこで私はこのLie3代数を用いたM5ブレーンの記述法を詳しく調べ、M5ブレーンと双対性で関連する全ての超弦理論のソリトンとの関係を明らかにした。それによりこのLie3代数を用いた方法は一部のソリトン間の相互作用を完全には記述できていないことがわかり、もともとの構成法においてさらなる改善が必要であることを明確にした。また、提唱された理論が正しいM5ブレーン理論のスケール極限である可能性を指摘した。これらはM5ブレーンを正しく記述しM2ブレーンとの関係を明らかにしてM理論のダイナミクスを解明するという将来の方向性において必要な解析であり、超弦理論の非摂動的な理解を進めるうえで重要であった。
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Research Products
(2 results)