2011 Fiscal Year Annual Research Report
1950年前後の地域における軍用地調達に関する社会史的研究
Project/Area Number |
10J03682
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安岡 健一 大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 戦後開拓 / 軍用地問題 / 高度成長 / 農村共同体 / 青年団 / 民主主義 / 社会運動 / 労働 |
Research Abstract |
本年度の研究では、茨城県鹿島地域の神之池基地反対運動を重点的に調査することを試みた。当時を知る人々が次々に世代が変わってしまい、今を逃しては聞き取りなどがほとんど不可能になってしまうからである。そこで現地滞在による聞き取りや資料調査を複数回行うことで当時の関係者から情報・資料を得ることができた。また、1950年代の基地問題には労働組合なども深く関与していることから、水戸の県立図書館はもとより、労働組合事務所などに所蔵している資料なども、現地の協力を得て確認することが出来た。農民運動関係の原資料をまとまったかたちで入手できたことも大きな成果である。 このほか、科研費を使用することで、国立国会図書館憲政資料室所蔵資料、法政大学大原社会問題研究所所蔵資料などのうち,新たに公開された資料も確認・収集することができた。来年度はこれらの調査結果を活かして論文の執筆に重点をおきたい。 個別の研究報告としては2011年12月に日本史研究会ほか3学会合同の研究会で「近代と労働」というテーマの下、「高度成長期日本農村における「展望」と社会運動-茨城県南部・神之池基地反対闘争を事例に-」と題して研究報告を行った(於:機関誌会館、京都)。労働史研究者、社会運動史研究者などと世代と専門を超えた交流・議論することで研究テーマに多大な示唆を得ることが出来た。 また、現在までの研究成果を生かす形で書評や『女性史学』におけるコメントの執筆など鋭意取り組むことを通じ、研究テーマの広がりを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料調査は予想以上に順調に進み、研究報告もおこなった。また他に関連研究を発表したが、直接的に基地問題に関連する論文執筆・掲載までには至らなかったので(2)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的な基礎となる資料は収集できたので、整理と執筆をおこなうことと、今後の研究への広がりを確かめるという意味で、各地域の他の事例についても注意深く資料の確認を行っていきたい。
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Research Products
(4 results)