2012 Fiscal Year Annual Research Report
白亜紀から古第三紀における化学合成群集の進化の解明
Project/Area Number |
10J03819
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
ジェンキンズ ロバート 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 化学合成生態系 / 白亜紀 / 古第三紀 / メタン湧水 / 化学合成二枚貝 / 進化 |
Research Abstract |
海底メタン湧水や熱水噴出孔などに成立する化学合成生態系の進化の解明を目指して研究を行っている.化学合成生態系を代表する大型生物として,シロウリガイ類やシンカイヒバリガイ類などの化学合成二枚貝類が挙げられる.ジュラ紀後期以降の化学合成二枚貝類の分類の再検討を行ったところ,化学合成二枚貝類の群集構成が前期白亜紀末から古第三紀にかけて顕著に変化したことを明らかにできた(昨年度の成果;Acta Palaeontologica Polonica誌に受理済み.2013年第2号に掲載予定). 本年度は,未記載の古化学合成生態系の地質記録の充実に努めた.具体的には,前期白亜紀末から古第三紀の,チェコ共和国カルパティア山脈(前期白亜紀),米国アラスカ州(後期白亜紀),北海道浦幌町(古第三紀)から産出したメタン湧水堆積物と随伴して産出した化学合成群集について,重点的に試料の観察,分析,記載を行った.チェコ共和国からの前期白亜紀メタン湧水の発見は,カルパティア山脈から初の報告となる.当時の東ヨーロッパ域におけるテクトニクスやメタン湧水生態系の古生物地理に重要な知見となる.この成果は,国際誌Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology誌に受理された.また,受け入れ研究機関であった横浜国立大学の間嶋研究室との共同研究の一環で,関東地域の新第三紀,第四紀のメタン湧水性化学合成生態系の調査を行った. また,これまでの研究をまとめた総説を東大古生物学(佐々木・伊藤編著,東海大学出版会)の第7章に記した.
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Research Products
(8 results)