2010 Fiscal Year Annual Research Report
キイロショウジョウバエPDF発現概日時計ニューロンのシナプス出力の解析
Project/Area Number |
10J04064
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
梅崎 勇次郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | キイロショウジョウバエ / サーカディアンリズム / 概日リズム / 体内時計 / 色素拡散因子 / PDF / 神経機構 / 時計ニューロン |
Research Abstract |
本研究は、概日リズムの制御を司る神経ネットワークで中心的な役割を果たすPDF発現時計ニューロン(PDFN)のシナプス出力の解明を目指しており、これまでの研究からPDFNはPDFの他に未同定の神経伝達物質(UNT)を発現することが分かっている。本年度は以下3点の解析を行った。1.PDFおよびUNTが光同調に果たす役割を検討するため、pdf/欠損系統pdf^0、UNTによる神経伝達を破傷風毒素(TNT)の特異的発現により阻害したpdf-Gal4/UAS-TNT-E (pdf>TNT)、そしてpdfを欠損し、かつUNTの伝達を阻害したpdf-Gal4/UAS-TNT-E ; pdf^0 (pdf>TNT ; pdf^0)を用いて明暗サイクル(LD)をシフトさせて再同調過程を解析した。その結果、全ての系統がこの条件に再同調し、同調に要するサイクル数も3系統間でほぼ同じであった。2.PDFおよびUNTが温度同調に果たす役割を検討するため、上記1の系統を用いて恒暗条件(DD)で温度サイクル(TC)を与えて活動リズムを測定した。その結果、野生型では4サイクル程で同調したのに対し、pdf>TNTでは有意に長く8サイクル程で同調した。さらに、pdf^0とpdf>TNT ; pdf^0ではLD下ではピークが明瞭であったがDDでTCを与えた条件では活動量が極端に減少し、リズムが不明瞭になった。その傾向はpdf>TNT ; pdf^0でより顕著に表れた。従って、PDF、UNTは温度同調でのピークの位相設定や活動維持に関わっていると考えられる。3.PDFNで発現するUNTの同定を試みるため、抗Serotonin、抗Dopamine、抗GABA抗体を用いて免疫染色を行ったが現在まで良好な結果は得られていない。今後、各神経伝達物質の生合成過程で働く酵素のプロモーター配列を利用した形質転換系統を用いて同定を進める予定である。
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Research Products
(3 results)