2010 Fiscal Year Annual Research Report
無染色生細胞の""その場""内部観察を可能とする新規顕微鏡の開発
Project/Area Number |
10J04235
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤井 宣行 九州大学, 大学院・総合理工学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光熱変換 / 熱レンズ顕微鏡 / イメージング / 生細胞 / 紫外光 / 反射対物レンズ |
Research Abstract |
本研究では、無染色の生細胞の内部観察を可能とするような顕微装置の開発を目的としており、その有力候補として光熱変換現象の一つである熱レンズ分光法を利用した画像化装置の開発を行っている。これまでに、生細胞として酵母菌を利用し、無染色の生細胞を画像化することが可能であることを実証済みである。本年度は特に熱レンズ現象の最適観測技術の確立を第一の目的として計画を立て、研究を行った。本装置の大きな特徴の一つとして反射対物レンズの使用が挙げられるが、この利用が原因の一つとなり、測定結果にゴースト像が生じる・同一対象を測定した場合でも結果が異なる場合がある、といった問題が生じていた。同じ対象を測定して同じ結果が得られないという問題は顕微装置として致命的である。この問題を解決するため、イオン交換樹脂を測定試料として用い、光学系を見直しつつ異なる測定条件での測定を行い、問題が生じる条件を特定した。また、この問題の解決が可能な光学系を提案、実際に解決可能であることを示した。 さらに、本装置においては今後測定時間の改良が大きな課題の一つとなると考えられる。本装置は試料をコンピュータ制御のステージで走査させる形式であり、その制御には自作のソフトウェアを用いている。測定時間のみならず、装置・測定ソフトウェアそのものの安定性も問題となり安定した測定が行えないでいたため、測定時間短縮のための第一歩として、本年度にこの制御部分の刷新をハードウェア・ソフトウェアの両面にて行った。その結果、それまでと比較して3分の1の時間で測定を行うことが可能となった。
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