2010 Fiscal Year Annual Research Report
CCN2/CTGFに結合するタンパク質の同定と機能解析
Project/Area Number |
10J04293
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
星島 光博 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | CCNファミリー / CCN2/CTGF / CCN3/NOV / 軟骨細胞 / 細胞外基質 / 表面プラズモン共鳴 |
Research Abstract |
CCNファミリークンパク質2/結合組織成長因子(CCN2/CTGF)は軟骨に強い発現を示し、軟骨細胞の増殖・分化や線維芽細胞や血管内皮細胞の接着・遊走など多彩な生理機能を発揮するが、一方で異所性の過剰な発現は種々の線維症や癌細胞で観察され、発現量およびその活性は厳密にコントロールされていると思われる。我々はCCN2の機能を調節する機構を解析する目的でCCN2と結合する分子を探索し、これらの分子間の相互作用が細胞や個体に与える影響を調べた。 軟骨細胞様綿胞株HCS-2/8より作製したcDNAライブラリーから、CCN2と結合する因子として同ファミリーのCCN3/NOVおよびCCN2自身を単離した。また、全長CCN2との相互作用部位が、CCN2ではIGFBP、VWCおよびCTドメインであるが、CCN3でははVWCとCTドメインのみである事を確認した。これらをCOS7細胞内で異所性に発現させたところ、CCN2とCCN3が共局在し、細胞内で結合している事が示された。また、組換えCCN2とCCN3蛋白がin vitroで結合している事を免疫沈降法および表面プラズモン共鳴により解析し、CCN2同士およびCCN2とCCN3の結合がKD≒1×10^<-9>Mと非常に強い事を明らかにした。さらに、軟骨細胞にCCN2およびCCN3を添加し、アグリカンmRNAの発現に及ぼす影響をreal time-PCRで調べたところ、アグリカンmRNAレベルは、CCN2の添加で上昇し、CCN3で低下した。CCN3によるアグリカンmRNAの発現抑制は、CCN2の濃度依存的に回復した。これらの結果は、CCN2の軟骨基質合成促進作用がCCN3との相互作用により、厳密に調節されていることを示唆している。このようなCCNファミリーの相互作用を示す報告はこれまでになく、CCNファミリーの作用機構を考える上で、極めて重要な知見である。
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