2010 Fiscal Year Annual Research Report
NSAID依存のアポトーシス誘導機構解明とアポトーシスを起さないNSAIDの発見
Project/Area Number |
10J04305
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
浅野 帝太 熊本大学, 大学院・薬学教育部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カルパイン / ミトコンドリア / Bax / BAPTA-AM / NSAIDs |
Research Abstract |
(1)NSAIDsによるアポトーシス誘導機構の全体像の解明 まずカルパインの活性化がミトコンドリア傷害を導く経路を明らかにしようとした。これまでにカルパイン活性化がミトコンドリア傷害を導くメカニズムとしては、カルパインによるBcl-2 family(特にBax,Bid)の切断の関与が示唆されている。そこで、まずイムノブロット法によりどのBcl-2 familyの蛋白質(全部で6種類ある)が切断されているかを確認したところ、Baxの切断を確認した。次にRNA干渉法(siRNA法)などでBax,の発現を抑制させ、NSAIDsによるアポトーシス誘導が抑制されることを見いだした。この結果は、BaxがNSAIDsによるアポトーシス誘導に関与することを示唆している。また我々は、カルパイン阻害剤でBaxの切断が抑制されることも見いだした。 これまでの私の実験から、NSAIDsによるアポトーシス誘導はBAPTA-AMにより完全には抑制されないことが分かっている。この事から、NSAIDsによるアポトーシス誘導にはカルシウム非依存的な経路も関与することが考えられる。私はこのカルシウム非依存的な経路として、デスレセプター5(DR5)を介する経路、MAPK経路に注目している。それは、これらの経路はアポトーシス誘導には関与しているものの、カルシウムとの関連が示唆されていないからである。そこで、これらの経路がNSAIDsにより活性化されるかをイムノブロット法などにより調べたところ、その活性化が確認された。
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