2010 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞受容体トランスジェニックマウスを用いた尋常性天疱瘡自己抗体産生機構の解明
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10J04747
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西本 周平 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | サイトカイン / 皮膚炎 / 自己免疫 / Th17 / インターロイキン / SOCS / T細胞移入 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
尋常性天庖瘡はDsg3に対する自己抗体産生によって生じる自己免疫疾患である。自己抗体産生にはB細胞のみならず、それらを指揮するCD4T細胞の関与が重要である。これまでに当グループではDsg3特異的なTCRを有するT細胞トランスジェニックマウスH1(以下H1)を作製した。このH1マウスはDsg3に対する自己反応性CD4T細胞を有するものの自己抗体産生を行わず、interface dermatitisというTh1型の皮膚炎を生じさせた。このことから、同一自己抗原を認識するCD4T細胞であってもサイトカインプロファイルの違いにより生じる皮膚炎が異なることが示唆された。サイトカインプロファイルを制御により皮膚炎の制御を試みた。まず、H1マウスにおいてTh1に偏ったサイトカインプロファイルをTh2に誘導するために、H1マウスとTh2に偏りやすいSOCS3 Tgマウスと交配したが、SOCS3Tg-H1マウス自体では自己抗体産生には至らなかった。自己抗体産生には、T細胞のみならず、B細胞の免疫寛容の破綻が同時に必要であるためと考えられた。次にH1よりnaive CD4 T細胞を採取し、in vitroにおいて各Th条件で培養/分化させてRag2KOマウスへと移入した。H1 Th17細胞のRag2KOマウスへの移入により、表皮内への稠密な好中球浸潤を伴う皮膚炎を誘導した。また、皮膚以外でDsg3が発現している食道、胃前庭においても好中球を伴う炎症を引き起こし、Dsg3の発現していない臓器には炎症を引き起こさなかった。これは、抗原特異的なT細胞が抗原の発現している臓器特異的にT細胞のサイトカインプロファイルに応じて特徴的な炎症を引き起こしており、同じTCRを有するT細胞であってもそのサイトカインプロファイルが異なれば誘導する炎症が異なることが示唆された。
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Research Products
(2 results)