2012 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブ・ファイバ分散ポリマーの強度・機能特性解明と知的設計・評価
Project/Area Number |
10J04780
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒沼 遊 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | メゾ材料力学 / 有限要素解析 / 材料試験 / 高分子系複合材料 / カーボンナノチューブ / 破壊・変形・疲労 / 電気伝導 / 構造・機能デバイス |
Research Abstract |
本研究は,カーボンナノチューブ(CM)・カーボンナノファイバ(CNF)分散ポリマー(バルク,フィルム)の強度・機能特性を理論・実験両面から解明するものである.また,上記理論的・実験的研究に基づき,CNT・CNFを利用した知的材料・構造システムの信頼性・耐久性向上を目指した設計・評価指針を提供することも目的の一つである.得られた成果を要約すると以下の通りである. 1.(1)多層CNT分散ポリカーボネートコンポジットの引張試験・電気抵抗測定を行い,電気抵抗とひずみの関係を明らかにした.また,CNT分散ポリマーコンポジットのCNT間トンネル効果を考慮した電気伝導に関する理論モデルを提案・応用し,ひずみの増大に伴う電気抵抗変化を求めて,実験結果に理論的検討を加えた.(2)多層CNT分散ポリカーボネートコンポジットの室温・液体窒素温度(77K)における引張-引張疲労試験・電気抵抗測定を行い,疲労特性の温度・CNT含有量依存性や電気抵抗変化による疲労損傷検知機能を解明・考察した.また,走査型電子顕微鏡(SEM)による破面観察を行い,破壊形態について検討を加えた.2.(1)き裂を有する多層CNT分散ポリカーボネートコンポジットの高速引張試験・電気抵抗測定および弾塑性有限要素解析・電気抵抗モデル計算を行い,電気抵抗・き裂挙動の負荷速度依存性を解明・考察した。また,SEMによる破面観察を行い,破壊形態について検討を加えた.(2)き裂を有する多層CNT分散ポリカーボネートコンポジットの混合モードI/II破壊試験・電気抵抗測定を行い,き裂進展と電気抵抗の関係,荷重-変位曲線の非線形挙動を解明・考察した.また,き裂進展によるCNT電気伝導ネットワーク遮断のメカニズムをモデル化し,電気抵抗変化を求めて,実験結果と比較・検討した.
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