2010 Fiscal Year Annual Research Report
LDT化学による新しい細胞内蛋白質間相互作用解析技術の開発
Project/Area Number |
10J04905
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 朋則 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 蛋白質化学修飾 / 蛋白質間相互作用 / FKBP12 / LDT Chemistry / FRB / 蛍光バイオセンサー / 光クロスリンク / カルシニューリン |
Research Abstract |
細胞内では、蛋白質の多くが他の蛋白質と相互作用することによりその機能を発揮する。従って、細胞機能のメカニズムを分子レベルで解明する上で、蛋白質間相互作用を解析する技術は必要不可欠である。そこで本研究では我々が独自に開発した蛋白質化学修飾法であるLDT化学を応用することで内在性蛋白質の蛋白質-蛋白質相互作用を解析するための新手法の確立を目指した。研究のためのモデル蛋白質としてFKBP12を採用した。FKBP12は、FK506やラバマイシンといった小分子リガンドを介して、カルシニューリンやFRBといった蛋白質と相互作用し複合体を形成することが知られている。このリガンド依存的蛋白質間相互作用を検出するために、LDTラベル化試薬を用いてFKBP12の活性中心近傍に環境応答性蛍光色素であるフルオレセインを導入し、FKBP12とリガンドの結合、さらにそれによって誘起される蛋白質複合体形成の一連の過程を、蛍光変化で読み出すことを試みた。試験管内実験の結果、リガンドの結合に伴い蛍光が減少し、蛋白質複合体形成に伴い蛍光が上昇する挙動が確認でき、蛋白質間相互作用の蛍光モニタリングが可能であることが示された。またもう一つの戦略として、LDT化学によりFKBP12に光架橋剤であるジアジリンを導入し、FKBP12と相互作用する蛋白質であるFRBを光照射により共有結合で'架橋'して検出することを試みた。その結果、リガンド非共存下では光架橋産物が生成しなかったのに対し、リガンド共存下ではFKBP12-FRB間が共有結合で架橋され、蛋白質間相互作用を光架橋検出することに成功した。 今後はこれらの手法を細胞内へと展開し、内在性FKBP12の相互作用イメージングや光架橋解析に挑んでいく予定である。
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Research Products
(2 results)