2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J04942
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新村 毅 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 行動 / 遺伝 / 分子生物学 / ニワトリ / 発声 / 次世代シークエンサー / バイオインフォマティクス / QTL |
Research Abstract |
本研究課題は、雄鶏の発声(Crowing)をモデルとして、2つのアプローチ、すなわちトランスクリプトーム解析およびフォワードジェネティクスを用いて先天的発声を司る遺伝子を特定するものである。採用第2年度は、採用第1年度に構築した研究基盤を基に、研究を前進させた。本年度までの研究実施状況の詳細は以下に示す通りである。 トランスクリプトーム解析 これまでに、Crowingはテストステロン依存的であり、テストステロン投与により雛においてCrowingが誘起されること、去勢手術により雄鶏においてCrowingが制御されることを確認した。このようなCrowingを示す個体と示さない個体のCrowing中枢部位からcDNAライブラリーを作製し、次世代シークエンサーを用いたRNA-seqにより網羅的に遺伝子発現解析を実施している。現在、バイオインフォマティクスを用いて、得られる多量の情報を解析する方法を確立しているところである。 ノフォワードジェネティクス 正常のCrowingを示す系統と異常なCrowingを示す系統を用いて家系を作出した結果、この異常なCrowingは優性遺伝することが明らかになった。表現型と遺伝子型の解析方法を確立し、これまでに得られた個体を用いてQTL解析を実施した結果、2つの候補部位が検出された。現在、本家系の遺伝子地図を作製すると同時に、候補部位に存在する遺伝子の発現解析を実施する準備を整えているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
採用第2年度は、具体的結果の前段階まで前進した。このことは、当初の計画以上でも以下でもないことから、(2)を選択するが適切だと考えられた。
|
Strategy for Future Research Activity |
採用第3年度は、トランスクリプトーム解析については、バイオインフォマティクスを用いて得られる多量の情報を解析し、in situ hybridizationによる発現解析およびRNAiによる立証試験を実施する。フォワードジェネティクスについては、候補部位に存在する遺伝子の発現解析を実施し、RNAiによる立証試験を実施する。いずれのアプローチにおいても、先天的発声を司る遺伝子を特定し、論文として国際的総合誌に投稿する。
|