2010 Fiscal Year Annual Research Report
アニオン交換輸送体AE1の膜トラフィック制御メカニズム
Project/Area Number |
10J05021
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大津 航 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 膜タンパク質 / AE1 / 小胞体 / COPII小胞輸送 / 輸送モチーフ |
Research Abstract |
分泌タンパク質や膜タンパク質は小胞体(ER)で産生され、内在アミノ酸配列による輸送モチーフによって選別され、細胞内の適切な場に輸送されその機能を発揮する。申請者らは牛AE1のN末端近傍に存在するΦXΦXΦ(Φは疎水性アミノ酸、Xは任意のアミノ酸を表す)配列が、小胞体からゴルジ装置(Golgi)への輸送を効率化していることを明らかにしてきた。本研究の目的は「新規モチーフ配列によるER-Golgi間輸送の分子基盤の解明」であり、ΦxΦxΦ配列がタンパク質輸送にもたらす影響について検討を行った。小胞体からのタンパク質輸送はCOPII小胞が担っていることが明らかとなっており、まずはこのCOPII小胞構成タンパク質と牛AE1との相互作用について検討を行った。作製したコンストラクトは予想通りの分子量のタンパク質を発現させ、細胞内局在の観察結果においても、既存の報告通りCOPII小胞構成タンパク質の核周囲への局在が認められた。しかしながら、免疫沈降の結果では牛AE1とcOPII小胞構成タンパク質との相互作用は観察されなかった。次に、プルダウン法による相互作用タンパク質の探索のため、AE1のN末端領域リコンビナントタンパク質の発現コンストラクトを作製した。現在、細胞可溶化物に対してプルダウン法による解析を行っているところである。また、このΦXΦXΦ配列は牛AE1内には存在するが、ヒトAE1内には存在しない。この種差について検討するため新たに馬、犬、マウスのcDNAライブラリーからAE1をクローニングし、そのN末端構造の比較を行った。ΦXΦXΦ配列は馬、マウスのAE1には存在したが、犬マウスのN末端領域には存在しなかった。レポータータンパク質によるキメラタンパク質モデルの解析において、ΦxΦxΦ配列の有無がやはりER-Golgi間輸送に影響を及ぼしていることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)