2010 Fiscal Year Annual Research Report
顕著な抗癌作用を有するマクロライド型天然有機化合物の全合成と構造活性相関
Project/Area Number |
10J05127
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永沢 友裕 東北大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ラクチミドマイシン / 全合成 / 抗癌剤 |
Research Abstract |
Lactimidomycinは放線菌Streptomyces amnphibiosporus R310-104およびS. platensisの培養液から単離され、各種癌細胞に強力な細胞毒性を示すとともに、ヒト由来癌細胞に対して、極低濃度で転移を阻害する。合成の困難さは中程度ではあるが、逆に様々な構造の化学修飾がしやすいため実用的抗癌剤の創製に結びつく可能性があり、その合成化学的価値は高い。申請者は遠隔不斉誘導反応を適用したlactimidomycinの効率的全合成および大幅な構造改変も含めた構造活性相関研究(共同研究)の実施により、実用的抗癌剤の開発を目的とした。 アセトアルデヒドをL-バリン由来光学活性試薬を用いた遠隔不斉誘導反応に付すことより連続不斉中心を一挙に構築した後、高立体選択的な不斉アルドール反応と続く各種官能基選択的な変換を経てビニルヨージドとした。これを別途調製したスズフラグメントと連結し、マクロラクトン化反応と酸化的な二重結合の導入を経て、最も合成困難なC1-C16部分に相当するlactimidomycinコア部の合成に成功した。一方、側鎖部分の合成はすでに完了しており、今後はこれら両者の合成的知見をもとにlactimidomycinの全合成を達成できるものと考えている。また、lactimidomycinの全合成を完成させしだい、構造活性相関解明のための構造改変体の調製に取りかかる予定である。
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