2010 Fiscal Year Annual Research Report
二次リンパ組織、特に鼻咽頭関連リンパ組織形成における転写因子RUNX2の機能解析
Project/Area Number |
10J05420
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大倉 英明 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | P2-Runx2 / ノックアウトマウス / 新生仔致死 / NEO^rカセット / Cre-loxPシステム |
Research Abstract |
P2-Runx2ノックアウトマウス作製のため、ターゲティングベクターを構築した。この際、exonの大半を共有し、欠損すると致死性を示すP1-Runx2遺伝子に影響を与えないようにするため、5'UTRを含む563bpを欠失させた上でP2-Runx2の転写開始コドンを停止コドンに変異させるという最小限にとどめた。このベクターを用いてES細胞(clone : E14-1)へエレクトロポレーション法により遺伝子を導入し、80分の1の割合で相同組み換えを起こしたES細胞株を得た。このES細胞株を東京大学医科学研究所発生工学研究支援室に依頼してマイクロインジェクションに供し、ヘテロ遺伝子型のマウス個体までの作製が完了したが、得られたマウスに563bpの欠失は導入されていなかった。このヘテロマウス同士の掛け合わせを続けたが、ホモ遺伝子型の成体マウスを得るとこはできなかった。生まれてくる仔を詳細に調べたところ、ホモ遺伝子型個体は生後一日以内にすべて死亡していることが分かった.この新生仔期における致死性はRunx2-nullマウスやP1-Runx2欠損マウスに類似しており、骨形成異常が原因ではないか、また、今回のターゲティングベクターの構築がP1-Runx2の発現に何らかの影響を及ぼした結果ではないかと考えられた。そこでP1-Runx2の発現に異常をきたす可能性がある構築上のポイントはES細胞のセレクションに使用したNEO^rカセットの存在である仮説を立てた。今回、NEO^rカセットはloxP配列で挟み込んでありCreリコンビナーゼの存在下、Cre-loxPシステムにより取り除くことができるように設計してある。そこでまず、全身でCreを発現するCAG-Creマウスを入手して、このマウスと掛け合わせることにより全身的にNEO^rカセットを除去する試みを行っている。
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