2012 Fiscal Year Annual Research Report
主鎖骨格改変型人工核酸の大量合成法を基盤とした組織化核酸二重鎖の設計
Project/Area Number |
10J05521
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山崎 直美 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 人工核酸 / RNA干渉 / オフターゲット効果 / 二重鎖形成 / RNA類縁体 / siRNA / トリアゾール連結型RNA / クリック化学 |
Research Abstract |
本研究は,主鎖骨格改変型人工核酸の組織化核酸二重鎖の設計・合成を行うことを目的としている.昨年度までに,デオキシリボ型の構造多様化を指向し,^<TL>DNAの分子設計をRNA類縁体合成に適用したリボヌクレオシド型類縁体(^<TL>RNA)の単量体合成法を報告している.通常,非天然型連結部をもつRNA類縁体は2'位水酸基の存在が合成上の制約となるため,その報告例はDNA類縁体と比べて限られていたが,^<TL>RNAはクリック伸長法の官能基許容性の高さを活用することで簡便に合成することができる.本年度は,^<TL>RNAの機能発現を指向し,RNA干渉を標的とした分子設計・合成を行った.RNA干渉は近年実用化が期待されるが,天然RNA自身の不安定性や,オフターゲット効果などが懸念され,siRNAの実用化には多くの問題が存在する.我々は^<TL>RNAをsiRNAのガイド鎖として利用できることに着目し,オフターゲット効果を抑制し,持続性の高いRNA干渉が実現できると期待した.その分子設計では,タンパクによりリン酸部が厳密に認識される上流部はリン酸ジエステル連結型構造を保持し,下流部及びオフターゲット効果において切断部位となり得る中間部(9-10塩基間)はトリアゾール連結型構造とした.本研究では,短鎖のモデル基質を用いた天然RNAとのキメラ型オリゴマーの合成手法を確立した.固相合成法を用いてクリック化学により核酸伸長を行った後,5'末端に水酸基をもつ連結単量体を導入した.核酸合成で汎用されているホスホアミダイト法を利用することで,天然RNAが^<TL>RNAの5'側に伸長可能であることを見出した.この^<TL>RNAを含むキメラ型オリゴマーがガイド鎖として高い活性と持続性をもつことが期待され,生命科学分野の発展を支える人工核酸の合成法を開拓することができた.
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Research Products
(5 results)