2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性痙性対麻痺と紀伊筋萎縮性側索硬化症・パーキンソン認知症複合の遺伝子解析研究
Project/Area Number |
10J05639
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石浦 浩之 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 遺伝性痙性対麻痺 / 紀伊筋萎縮性側索硬化症 / 遺伝子解析 / C90RF72 |
Research Abstract |
遺伝性痙性対麻痺:に関しては、SPG12に関する国際共同研究に参画し、遺伝子同定に寄与することができた(Montenegro G,Ishiura H,et al,J Clin Invest 2012)。また、リソース収集を進め、引き続き遺伝性痙性対麻痺の分子病態の解明を進める予定である。 紀伊筋萎縮性側索硬化症・パーキンソン認知症複合(ALS/PDC)に関しては、紀伊半島の最南端のALS3症例においてC90RF72内の6塩基反復配列の伸長を認め、9番染色体に連鎖する筋萎縮性側索硬化症であることが判明した。本地域における9番染色体に連鎖する筋萎縮性側索硬化症の頻度は、本邦の他の地域(Majounie E,Ishiura H et al. 2012)に比較して有意に頻度が高いことを見出し、紀伊半島におけるALSの高罹病率を部分的に説明できると考えられた(Ishiura H,et al.Archives of Neurology in press)。その他、紀伊半島最南端地域においてはOPTNのヘテロ接合性新規アミノ酸置換を持つALS症例も見出したが、他のALS症例においては観察されず、病原性については検討の余地が残った(Naruse H,Ishiura H,et al.Amyotroph Lateral Scler in press)。パーキンソン認知症複合(PDC)に関しては、本研究では遺伝子同定には至らず、今後の研究が必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
紀伊筋萎縮性側索硬化症に関して、紀南地方においてC90RF72内の6塩基異常伸長が高頻度に見られることを見出し、論文として報告することができた。遺伝性痙性対麻痺に関してはSPG12の原因遺伝子同定に関する国際共同研究に参画し、論文として発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
紀伊筋萎縮性側索硬化症に関しては、C90RF72内の6塩基異常伸長の無い症例に関する遺伝学的基盤の解明を進める必要がある。遺伝性痙性対麻痺に関しては、さらに原因遺伝子を同定していく努力が必要である。
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Research Products
(12 results)