2010 Fiscal Year Annual Research Report
化学的手法を用いた耐性菌におけるペプチドグリカン合成反応の解析と機能制御
Project/Area Number |
10J05724
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 淳 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | バンコマシン耐性菌 / 作用機序解析 / 光親和性官能基 |
Research Abstract |
バンコマイシン耐性菌にも有効なバンコマイシン誘導体Van-M-02を基に、光親和性官能基と精製用タグを付加したVan-pbM-29を合成した。黄色ブドウ球菌から調製した膜画分と反応させて得たサンプルを、精製用タグを用いて精製し、抗体を用いて特異的に検出した結果から、Van-pbM-29がPBP2(ペニシリン結合性)タンパクと相互作用することが示された。また、別途精製したPBP2タンパクとVan-pbM-29を反応させて得られたサンプルを精製し、タンパク質を酵素分解して質量分析のためのサンプルを調製した。このサンプルを質量分析装置で解析することで、Van-pbM-29とPBP2タンパクの相互作用部位を推測することができた。今後行われる予定の精製PBP2を用いた速度論解析の結果と合わせて、Van-pbM-29の作用機序が詳細に解明される。 また、精製用タグの代わりに蛍光検出によって検出可能な蛍光タグを付加したBODIPY-M-29も合成し、M-29のPBP2タンパク以外の標的を網羅的に探索した。BODIPY-M-29と上記膜画分を反応させて得られたサンプルを、二次元電気泳動によって展開して蛍光検出した結果から、PBP2以外の複数のタンパク質が蛍光標識されることがわかり、現在、タンパク質の同定に向けて解析途中である。
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