2010 Fiscal Year Annual Research Report
Pt/強磁性体複合構造における超スピン流物性の開拓と構造依存性
Project/Area Number |
10J05780
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梶原 瑛祐 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超スピン流 / スピン波スピン流 / スピンポンピング / (逆)スピンホール効果 / Mott絶縁体 / スピントルク / スピン波共鳴 |
Research Abstract |
電子のスピン自由度をエレクトロニクスに組み込んだ「スピントロニクス」において、スピン流(角運動量の流れ)の果たす役割がますます重要になっている。物質を流れるスピン流は様々な形態で存在し、その形態の1つに磁気交換相互作用が駆動するスピンの流れ:超スピン流が存在することが理論的に示されている。超スピン流は従来より研究されてきた伝導電子スピン流(粒子拡散力が駆動するスピン流)と比較して損失のずっと少ない流れであり、それまで数ミクロン程度の距離までにしか流すことのできなかったスピン流の輸送能の限界を突破できる可能性があることから、世界中で超スピン流観測への機運が高まっている。このような中、本年度研究者はスピン流の高感度かつ定量測定の可能なスピン流定システムを構築することで絶体中を流れる超スピン(スピン波スピン流)を初めて観測した(Kajiwara,et.al.Nature,梶原, et alまてりあ)。研究者は磁性ガーネット(磁性絶縁体)薄膜上にスピン流注入源(白金薄膜)とスピン流検出源(白金薄膜)を有する複合構造を作成した。一端のスピン流注入源からスピンホール効果を介して磁性ガーネット中にスピン流を流すと、1mm離して接合した他端のスピン流検出源で超スピン流に由来する信号が検出された。マイクロ波分光測定を併用することで、観測された信号が超スピン流の信号であることを示した。 本研究の過程で絶縁体中の超スピン流と金属中の伝導電子スピンとのスピン角運動量交換機構に関する理論的定式化を行い、界面でのスピン間交換相互作用を通じてスピン流の交換が行われていることを示した(Kajiwara, et al. Nature, Kajiwara, et al. IEEE Transaction on Magnetics)。 また、組成を変えた磁性ガーネットにおいて金属との界面でスピン間交換相互作用の大きさが顕著に変化し(10倍程度増大)、スピン交換相互作用の大きさが磁性ガーネットと接合金属間の電子構造の詳細に由来することを示唆する結果を得た(Kajiwara, et al. IEEE Transaction on Maneties)。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Transmission of electrical signals by spin-wave interconversion in a magnetic insulator2010
Author(s)
Y.Kajiwara, K.Harii, S.Takahashi, J.Ohe, K.Uchida, M.Mizuguchi, H.Umezawa, H.Kawai, K.Ando, K.Takanashi, S.Maekawa, E.Saitoh
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Journal Title
Nature
Volume: 464
Pages: 262-266
Peer Reviewed
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[Journal Article] Spin Seebeck insulator2010
Author(s)
K.Uchida, J.Xiao, H.Adachi, J.Ohe, S.Takahashi, J.Ieda, T.Ota, Y.Kajiwara, H.Umezawa, H.Kawai, G.E.W.Bauer, S.Maekawa, E.Saitoh
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Journal Title
Nature materials
Volume: 9
Pages: 894-897
Peer Reviewed
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