2010 Fiscal Year Annual Research Report
多段相変化型単一合金薄膜を用いた多値記録不揮発性メモリの開発
Project/Area Number |
10J05810
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齊藤 雄太 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 相変化メモリ / 相変化材料 / カルコゲナイド / アモルファス / 結晶化 / 多値記録 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(Si,Ge)-Te合金をベースとした単一合金薄膜で、3段階以上の抵抗状態を持ち、さらに低消費電力、高信頼性を実現できるPRAM(相変化メモリ)を開発することである。 そこで本年度は、Si-Te、Ge-Te合金の電気抵抗変化及び、構造変化を詳細に調査した。またメモリセルの構造や電極材料の最適化を行った。 Si-Te共晶合金は、2段階の電気抵抗変化を示すが、Si_2Te_3が結晶化する前に、抵抗が一桁程度増加する現象を発見した。TEMを用いて組織を観察したところ、はじめに結晶化したTeの周囲にSi-richなアモルファス相がネットワーク状に形成しており、これが一時的な抵抗増加を引き起こしたことが明らかになった。このような微細組織がデバイス特性に及ぼす影響を今後調査する必要があると考えている。 Ge-Te二元合金の中で、相分離せず、単一な相へと結晶化するGeTe化合物の結晶化過程についてXRDにより研究を行なった。GeTeは、rhombohedral構造のα-GeTe相に結晶化するが、熱処理温度が高くなるにつれ、NaCl構造に近づくことがわかった。 本年度は最適なメモリセルの作製を行った。具体的には、メモリセルの設計と、電極材料の最適化である。PRAMのセル構造は大きく分けてラテラル型とバーティカル型があり、電極材料と相変化材料の配置の違いにより分類される。どちらの構造も設計した結果、発熱効率がよく、再現性よく作製できるということで、本研究ではバーティカル型のメモリセルを用いることとした。電極材料としては、W、Mo、Ni、Al、TiN等を成膜し実験を行ったが、下地材料との密着性の問題や、薬品と反応してしまうといった問題が浮上してきた。種々の実験の結果、下部電極にはTiN、上部電極にはAlを使用することが最適であることと判明した。
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