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2011 Fiscal Year Annual Research Report

ドキソルビシンの新規作用標的タンパク質の同定及び生体内作用メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 10J06175
Research InstitutionTokyo University of Science

Principal Investigator

草柳 友恵  東京理科大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)

Keywordsドキソルビシン / Fanconi anemia F protein / Fanconi anemia D2 protein / シスプラチン / モノユビキチン
Research Abstract

本研究では、ドキソルビシン(DOX)の新規作用標的タンパク質の同定及び生体内作用メカニズムの解明を目的とし、実験を行った。これまでに、DOX結合候補タンパク質としてFanconi anemia F protein(FANCF)を同定し、ヒト培養細胞抽出液からのプルダウンアッセイ、GST融合大腸菌組み換えタンパク質との結合試験により、DOXとFANCFの結合を確認している。また、シスプラチンなどの架橋剤によるDNA損傷に対する修復機構の一部としてFANCD2のモノユビキチン化が知られているが、DOXがこのモノユビキチン化を阻害する事を観察した。今年度は、DOXとFANCFの詳細な結合様式を解明するため、大腸菌組み換えタンパク質としてFANCFを作製し、SPR装置を用いたFANCFとDOXとの相互作用解析を行った。この実験では、可溶化とアフィニティー精製のためのタグをHRV 3C proteaseによって切断し、タグを有していないFANCFを精製した。タグのついていないタンパク質を用い相互作用解析を行い、タグの影響の無いFANCF自身の解離定数を求める事ができた。これまで求められていなかったFANCFとDOXの解離定数を算出したという点で重要な成果である。さらに、flag-FANCF過剰発現ヒト培養細胞からのプルダウンアッセイを行った。これまでにもプルダウンアッセイは行っているが、FLAGタグ融合タンパク質として過剰発現させたFANCFを用いる事で、今後さらに実験の選択肢の広がりが期待されるとう点で重要な実験である。また、昨年度から実験条件を最適化してDOXがFANCD2のモノユビキチン化に与える影響の観察を行った。この実験では、より信頼度の高い結果を得たという点で重要な成果である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成23年度(2年目)はFANCFの過剰発現株を用意し、DOXへの感受性を評価する予定であった。感受性の評価はまだ行っていないが、FANCF過剰発現ベクターは作製済みであり、このベクターを使い、既に、プルダウンアッセイ等の実験は実施済みである。そのため、感受性の評価試験もすぐに実施する事ができる。

Strategy for Future Research Activity

DOXがFANCFの結合を介してFANCD2のモノユビキチン化阻害を引き起こす事を証明するため、DOXがFanconi anemia(FA)複合体形成に与える影響を観察する必要がある。これまでに、flag-FANCF及び結合複合体タンパク質を抗flag抗体を介した免疫沈降法で検出していたが、複合体FANCタンパク質の発現量が少なくて複合体も検出出来ない状態であった。そこで、過剰発現させたタンパク質同士の結合を観察し、DOXの影響を観察する事で、FANCタンパク質の発現量という問題に対応する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 2011

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] T7ファージディスプレイ法を用いた新規ドキソルビシン結合タンパク質の同定2012

    • Author(s)
      草柳友恵、高草木洋一、倉持幸司、紙透伸治、小林進、坂口謙吾、菅原二三男
    • Organizer
      日本農芸化学会
    • Place of Presentation
      京都
    • Year and Date
      2012-03-25
  • [Presentation] Identification of a doxorubicin-binding protein from a T7 phase display Screen2011

    • Author(s)
      Tomoe Kusayanagi, Yoichi Takakusagi, Toshifumi Takeuchi, Kengo Sakaguchi, Fumio Sugawara
    • Organizer
      The American Society of Pharmacognosy
    • Place of Presentation
      San Diego, CA, U.S.
    • Year and Date
      2011-07-30

URL: 

Published: 2013-06-26  

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