2010 Fiscal Year Annual Research Report
リゾホスファチジン酸産生酵素オートタキシンの生理機能の解明
Project/Area Number |
10J06237
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有馬 直明 東北大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | リゾリン脂質 / ゼブラフィッシュ |
Research Abstract |
(1)ATX^<lox/->マウスの骨形成異常の解明 ATX^<lox/->およびLPA_1 KOマウスにみられる頭部骨格異常の原因を調べるため、同様の表現型を示すマウスの文献検索を行った。すると、頭蓋骨の長さを決定するとされる頭蓋底と呼ばれる部位に異常を示す報告が多数認められたことから、ATX^<lox/->およびLPA1_KOマウスにおいても頭蓋底を観察した。その結果、野生型のマウスに比べてATX^<lox/->および LPA_1 KOマウスにおいては頭蓋底の軟骨部が早期に癒合している様子が観察され、これらマウスでみられる頭部骨格異常は頭蓋底の異常に起因することを明らかにできた。さらに、抗体を用いた蛍光免疫染色法やレーザーマイクロダイセクションと定量PCRを組み合わせた方法によって、頭蓋底軟骨部でのATXおよびLPA受容体の発現を解析したところ、この部位においてLPA_1受容体が特に高く発現していること、ATXはより成熟段階の進んだ軟骨細胞に高く発現していることを見出した。これらのことから、ATX-LPA_1シグナルは、頭蓋底の軟骨細胞に作用し、増殖もしくは成熟過程に作用していることが示唆された。 (2)ゼブラフィッシュを用いたATX-LPA-LPA_1 pathwayの骨形成への関与の評価 現在、ATXおよびLPA_1の機能抑制によってゼブラフィッシュにおいてもマウスと同様に頭蓋軟骨に形態異常を示すことを明らかにしている。軟骨特異的にEGFPを発現するゼブラフィッシュの確立に成功したので、今後はこのゼブラフィッシュを利用して軟骨形成におけるLPAシグナルの分子機構の解明を目指す。
|
Research Products
(3 results)