2011 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミックな素子のネットワークが示す動的秩序形成
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10J06281
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高口 太朗 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | テンポラル・ネットワーク / 社会ネットワーク / データ解析 |
Research Abstract |
本年度は、人同士の対面会話のデータを用いて個人ごとの会話相手の選択パターンの規則性について研究を行い、その成果を論文誌に発表し学会において講演を行った。従来の社会ネットワーク上での社会現象の確率力学モデルでは、個人ごとの相互作用を行う相手の選択は時間的に完全にランダムであることが仮定されてきた。しかし現実には、時間的に連続する相互作用の相手の選択には社会関係を反映した相関があると考えられる。この予想が正しければ、感染症拡大や情報伝播などの社会現象に対して従来の数理モデルが与える理解は修正されると考えられる。そこで人同士の対面会話の実測データを用いて、個人ごとの会話相手の選択パターンの時間的な規則性について解析を行った。本研究ではある時点の会話相手が誰であったかを知ることにより次の会話相手が誰であるかについて得られる情報量により会話相手選択パターンの規則性を定義した。その結果、ほぼ全ての被験者について規則性の値がランダム化した時系列についての値よりも有意に大きく、会話相手の選択パターンに規則性があることがわかった。この規則性の大きな要因は行動のバースト性、すなわち短時間のうちに集中してコミュニケーション行動を行ったあと長時間コミュニケーションを行わないという行動の特徴であった。次に、会話の有無をリンクとするネットワークを考えるとき、そのネットワークにおいて密に繋がったグループの中に位置する人ほど行動の規則性が低く、そのようなグループをつなぐ位置にいる人ほど規則性が高いことが判った。人の会話相手の選択パターンに関して定量的な評価を与え、かつ行動の特性と社会ネットワークにおける位置との関連を見出した点がこれまでにない新たな知見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ネットワーク状に結合した素子の結合系における時間的に変化する素子間の結合変化による集団ダイナミクスへの影響という課題に対して、理論モデル解析と実データ解析の両面から迫ることができている。双方のアプローチについて学術誌論文を発表し、成果を上げている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで通り理論モデル解析と実データ分析の両面から、課題に対して研究を進める。
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Research Products
(8 results)