2010 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス関連因子ALG-2の機能に関する構造生物学的解析
Project/Area Number |
10J06388
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
犬塚 達俊 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ALG-2 / crystal structure / Sec31A / COP II / cell death |
Research Abstract |
アポトーシス関連因子として同定されたALG-2(apoptosis linked gene-2)は、カルシウム結合モチーフであるEF-handが五つ連続しているPEF(penta-EF-hand)ファミリーに属するカルシウム結合タンパク質である。一般に、PEFタンパク質はカルシウムと結合することで構造変化が起こり、細胞内選別輸送に関わるAlix(ALG-2 interacting protein X)やスクランブラーゼファミリーに属するPLSCR3(Phospholipid scramblase3)をはじめとする様々なタンパク質と相互作用することが知られている。また、生体内には121番目のGlyと122番目のAlaが欠損した選択的スプライシングアイソフォームであるALG-2^<ΔGF122>が存在する。ALG-2^<ΔGF122>はPLSCR3と相互作用するが、Alixとは相互作用しない。Alixとの結合能力を失うALG-2^<ΔGF122>の構造的基盤をX線結晶解析により解明した。また、Alix結合能力を喪失すると考えF122のアラニン変異体を作成して解析すると、予想に反して結合能力は顕著に増大した。これについても結晶構造を明らかにし、疎水ポケットの拡大が結合に有利にはたらいたことが分かった。さらに、動物細胞内でのアイソフォームおよびF122A変異体の細胞死に対する機能を解析し、Alix結合能力と部分的に相関することを明らかにした。以上の内容を、構造生物学の専門学術雑誌にて報告した。 また、上記の研究と並行して、ALG-2の相互作用因子の一つであるCOPII小胞構成因子のSec31AのALG-2との結合に必要十分な領域を生化学的な手法により決定することにも成功した。こちらの結果は、Biosci Biotechnol Biochem.にて報告した。
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Research Products
(4 results)