2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J06613
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
野口 尚子 (入江 尚子) 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 長鼻目内の種間比較 / 数量認知能力 / タッチパネル / 低周波音コミュニケーション |
Research Abstract |
(1)サバンナゾウおよびマルミミゾウの相対的数量判断能力 収集したデータについて国際学会および国内学会で発表した。これまでの分析により、アジアゾウとサバンナゾウおよびマルミミゾウの相対的数量判断能力は成績傾向が異なることが示された。3種は訳800万年以上も前に分岐したとされ、その後異なる環境に適応したことから認知能力に違いがあることは十分に考えられる。しかしその実例を示した先行研究はなく、本研究が初と言える。内容をまとめ、現在論文を執筆中である。 (2)アジアゾウの数量情報再現能力 よこはま動物園ズーラシアにおいて、アジアゾウを対象に実験を開始した。株式会社eitに依頼し、新たな実験装置としてゾウ用タッチパネルを開発した。ゾウを対象とした認知実験はこれまで統制がうまくとられたものは少ないが、タッチパネルを導入することでPCによる実験条件の統制が可能となり貴重なデータを得られると考える。現在ゾウに画面へのタッチ行動を訓練している。また、実験ソフトも同時に作成した。 (3)ゾウの低周波音コミュニケーション 低周波音レベル計を用い、よこはま動物園ズーラシアにおいてゾウの音声を測定・録音した。その結果、ゾウが発したと思われる低周波音を録音することに成功した。録音データについては国内の研究会において発表した。ただしサンプル数が極端に少ないことが問題点としてあげられる。
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