2010 Fiscal Year Annual Research Report
量子ドット・ナノ共振器融合系における電子・光子相互作用の制御に関する研究
Project/Area Number |
10J06643
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
児島 貴徳 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フォトニック結晶 / 量子ドット / 共振器量子電磁力学 |
Research Abstract |
固体,特に半導体中での発光体と光共振器の量子物理的な相互作用は,物理的な興味だけでなく,高効率単一光子光源や量子情報処理素子といった新しい応用が期待され,注目を集めている.本研究では発光体としてInAs/GaAs自己形成量子ドット,光共振器としてGaAs2次元フォトニック結晶ナノ共振器を用いて,半導体中での発光体・共振器間相互作用の発現,観測及びその制御を目指している.量子ドットとナノ共振器の相互作用の強さは,量子ドット・ナノ共振器間の空間的な位置関係と,量子ドットの発光波長とナノ共振器の共振波長の差に依存する.本研究で用いるInAs/GaAs自己形成量子ドットはStranski-Krastanov成長モードを利用して作製され,その位置および発光波長は一般に制御不可能なパラメータである.従って,量子ドット・ナノ共振器間の空間上および波長軸上での位置関係を制御する技術は極めて重要である.そこで本年度は,量子ドットの作製後に個々の位躍および発光波長を高精度に検出するための測定システムの開発を行った.本システムでは個々の量子ドットの発光イメージを高感度カメラで撮影し,試料上に形成した基準マークからの相対位置を元に量子ドットの位置を検出し,発光スペクトルを分光器によって測定することで発光波長を検出する.このシステムを用いて量子ドット・ナノ共振器間の位置・波長合わせを行い,確かに両者の空間上および波長軸上での位置関係を制御できることを示した.今後は本システムによる位置・波長合わせを用いた量子ドット・ナノ共振器結合系を作製する上で重要となる,極低密度かつ高品質な量子ドットの成長条件を探索していく予定である.
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