2010 Fiscal Year Annual Research Report
金表面上におけるマイクロバブルの新規機能発現とデバイス展開に関する研究
Project/Area Number |
10J06851
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
藤井 翔 中央大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | マイクロナノバブル / 金薄膜 / 表面プラズモン共鳴 / マランゴニ対流 / 量子ドット / ナノリング / Nd:YAGレーザー |
Research Abstract |
本研究では、赤外光レーザー(1064nm)集光下で金表面に生成する単一マイクロナノバブル(直径~1μm)を研究対象とし、その周りで起る現象と化学反応に基づいたマイクロナノバブルの新機能、性質の発現、新規利用法の確立を目的としている。まず、本年度は非常に不安定である微小気泡が定常的に発生する条件を調べた。バルクサイズの金は赤外光を吸収しないが、金の膜圧が30nm以下になると、吸収を示した。この事からナノ薄膜の赤外領域のプラズモン共鳴が重要である事を突き止めた。また、薄膜になると、熱伝導率が著しく低下する事から、赤外光の局所的な加熱を効率よく行っている事が示唆された。次に気泡形状の3次元データを得るために、国立交通大学(台湾)の増原宏教授の指導を頂き、ローダミンB水溶液中で気泡を発生させ、その蛍光画像を測定した。その結果、気泡は球形では無く、縦長の楕円形を示しており、気泡の周囲に発生したマランゴニ対流が気泡の形状に関与していることが分かった。次に、量子ドット分散溶液中で金表面に気泡を発生させると、量子ドットがリング状に集積された蛍光観察像が得られた。また界面活性剤を添加すると、表面に集積されないことから、界面張力がリング状構造体形成に大きな影響を与えている事が分かった。AFMにより形状を測定すると、リングの内側の高さプロファイルは曲率を持っており、気泡が創りだす三相界面(固体基板表面と気液界面が接する領域)に集積していると考えられる形状が得られ、気泡をテンプレートとしている事が分かった。これにより、表面集積の位置や数を制御しながら溶液プロセスでのナノマテリアルのリング状集積が可能になり、気泡の新しい利用法を提案する事ができた。
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Research Products
(7 results)