2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J06944
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 暁志 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(CD1)
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Keywords | 行列模型 / Frobenius代数 / Gromov-Witten不変量 / 位相的漸化式 / 位相的弦理論 |
Research Abstract |
採択された研究の目標は行列模型の代数的構造の研究、及びその構造の位相的弦理論への応用であり、具体的な研究の主軸として(1)Riemann面Grmov-Witten不変量との関係を調べる、(2)Eynard-Orantinの位相的漸化式の理論との関連を調べる、(3)行列模型のゲージ群が0(N), Sp(N)の場合の行列模型に対するFrobenius代数の構造の構築、の3つがあった。 今年度は(3)についてはFronbenius代数の構造のうち余積の構造を構築することはできたが、積を導入するには困難が生じることがわかったので、現在その困難の解消法を模索中である。 (1)については行列模型とlocal-Gromov-Witten不変量(Riemann面上のランク2の正則ベクトル束を対象としたGW不変量)について一部関連づけることに成功した。(2)については位相的漸化式で考える超楕円曲線の変形を記述する空間に数学的に厳密にFrobenius構造(平坦構造)と呼ばれるFrobemus代数の族を記述する構造を導入する必要性があることがわかったので、現在その方向性で斉藤恭司氏の平坦構造の理論を勉強して応用を試みている。 その他、位相的弦理論への応用として、複素1次元トーラスのミラー対称性との関連で自由エネルギーが準保型形式になる行列模型を構成することに成功した。この結果と(1)のLocal Gromov-Witten不変量と行列模型の関連付けの結果については現在論文にまとめている。
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