2010 Fiscal Year Annual Research Report
新奇生物的防除法による外来性侵入雑草の制御技術の確立
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10J07223
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Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
黒瀬 大介 独立行政法人農業環境技術研究所, 農業環境インベントリーセンター, 特別研究員(PD)
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Keywords | イタドリ / イタドリ斑点病菌 / 伝統的生物防除法 / 内生糸状菌 |
Research Abstract |
19世紀前半にシーボルトにより西欧に持ち込まれた雌1株の日本原産イタドリは,現在,欧米諸国において大繁殖し,被害が拡大している難防除性の雑草となっている.本研究ではこの外来性侵入雑草であるイタドリを在来種に寄生する植物病原糸状菌を用いた生物的防除法を開発しようとするものである.これまでの研究成果から,イタドリ斑点病菌がイタドリに特異的に高い病原性を示し,本雑草の生物的防除素材として有効であることを明らかにした.本菌はイタドリに対して宿主特異的であり,在来他種植物への安全性評価の点でも優れ,実用化が期待できる有望菌である.しかしながら、本菌は子のう胞子形成がin vivoで認められていないことから、平成22年度ではその子のう胞子形成条件について検討を行った.また、イタドリには内生糸状菌が存在することをすでに明らかにしていることから、複数の日本産群落において内生菌の種構成およびその季節変動について調査した.さらに、これら内生菌種の中にはイタドリ斑点病の進展を顕著に助長するものの存在が接種試験の結果から示された.そこで両菌種の野外における動態解析を目的として,種特異的プライマーをそれぞれ開発した.これらの成果を取りまとめ、国際学会では,8月に9th International Mycological Congress (Edinburgh, UK),国内学会では,3月に平成23年度日本植物病理学会(東京)に参加し、報告した.
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Research Products
(2 results)