2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J07267
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相良 剛光 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2013-03-31
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Keywords | 蛍光プローブ / 分子集合体 / 超分子化学 / 刺激応答性発光材料 / ミセル |
Research Abstract |
前年度までの本申請研究において、申請者は、機械的刺激と高湿度環境への暴露によって可逆的に発光色変化を示す水溶性ピレン誘導体や、水中で熱刺激・機械的刺激を受けて発光色が変化するミセルを開発してきた。このようなミセルは本申請研究の目的とする「生細胞にかかる機械的刺激を検知する蛍光プローブ」のプロトタイプとなり得た。 そこで本年度は、実際に生細胞への応用を目指し、様々な検討を行った。具体的には、ミセルを構成する分子に多数導入された水酸基の一部をアミノ基に変換した化合物を設計・合成し、水中で機械的刺激を受けて発光色が変化することを確認した。その後、スルホスクシンイミジルエステルを両末端に持つ水溶性リンカーを用い、Hela細胞やHL60細胞の細胞膜上のタンパク質などに存在するアミノ基に導入し、生細胞イメージングを試みた。レーザー共焦点顕微鏡観察を行ったところ、細胞膜が綺麗に染まっていることが確認でき、ミセルが細胞膜上に導入されていることが分かった。機械的刺激を印加するために、ガラスビーズやポリマービーズを加えて振とうしてみたが、力が強すぎたために細胞自体が破壊されてしまった。 そこで、細胞シート状にしたMDCK細胞を用いて、ミセルを導入したのちに細胞シート同士をこすり合わせる実験を行った。こすり合わせた細胞シートに対し、レーザー共焦点顕微鏡上で発光スペクトル測定を行ったが、こすり合わせる前後で有意な差は観察できなかった。その他、様々な方法を用いて、細胞膜上で機械的な刺激を受けたミセルの発光色変化を詳細に調べたが、有益な情報は得られなかった。今後は、より機械的刺激に対する感度を上げる分子設計を行う必要があると考えられる。
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Research Products
(7 results)