2010 Fiscal Year Annual Research Report
MOA-IIによる伴星の質量関数の解明と褐色矮星砂漠の検証
Project/Area Number |
10J07272
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三宅 範幸 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 系外惑星 / 重力マイクロレンズ法 |
Research Abstract |
重力マイクロレンズ法を用いた銀河系内の伴星の質量関数導出と褐色媛星砂漠の検証を目的として、光学望遠鏡で得られたデータから褐色媛星・系外惑星探索を行った。 今年度はまず、広視野光学望遠鏡があるニュージーランドに3回渡航し、合計3か月間に渡って観測に従事した。観測ではイメージ取得するとともに、初期解析で即座に作成された光度曲線をチェックし、重力マイクロレンズイベント候補の探索も行った。特に、伴星の物理量を詳細に求めるため、レンズ天体が連星のイベント候補を早期発見し、全世界にアラートを発信して追観測を促すことが必要である。私は、今回の観測中に2イベントの連星イベント候補をリアルタイムで発見し、アラートを発信した。 また、2009年のマイクロレンズイベントの中で、私が着目した惑星事象について詳細な解析を行った。本イベントは、これまでのマイクロレンズ観測で最多となる世界中の20台の望遠鏡で追観測が行われて2日間にわたる急激な増光の変化を捉えたため、詳細な解析を行うことが出来た。解析の結果、地球の50倍の質量を持つ系外惑星を発見した。重力マイクロレンズ法を用いて発見した11例目の系外惑星である。他の系外惑星探査の観測手法と比べて、重力マイクロレンズ法が一番検出感度の高い領域での発見で、非常に意義があった。研究結果は日本天文学会2010年秋季年会で口頭発表を行い、また海外の査読付き天文学術誌の2011年2月号に掲載された。 研究計画の通り、1年目で観測をするとともに、系外惑星を発見することができた。
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Research Products
(8 results)